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編集後記

読者皆様のより興味のある,且つ見やすいページになる様、今後も当 ニュースレター編集部は鋭意努力致します。ご期待ください。


新 専務理事 徳永裕司〈Hiroshi Tokunaga〉就任挨拶

今年6月21日 一般社団法人 日本医薬品添加剤協会 社員総会で、木嶋前専務理事の後任として、新しく専務理事に就任しました徳永裕司です。 昭和48年4月から平成18年3月まで、厚生労働省 国立医薬品食品衛生研究所(国立衛研、旧国立衛生試験所)に勤務しました.国立衛研時代には、生物化学部で医薬品標準品の試験・製造の研究を行い、その後、環境衛生化学部では、医薬部外品及び化粧品の規格及び試験方法に関する研究並びに飲料水中のヒ素汚染に関する海外調査(インド・西ベンガル州及びバングラデシュ)を行ってまいりました。
国立衛研を定年退職後、平成20年4月から成30年3月まで、医薬品医療機器総合機構(PMDA)にテクニカルエキスパートとして勤務しました。PMDA時代は、規格基準部医薬品基準課で日本薬局方の制定に関する業務及び日米欧の三薬局方の国際調和に関する業務を行ってまいりました。また、一般薬等審査部で医薬部外品の承認・審査の業務を行ってまいりました。 PMDA時代には、日局・医薬品添加物委員会、医薬品添加物検討委員会、医薬部外品原料検討委員会及び殺虫剤指針検討委員会に属し、各種の公定書の配布に協力して参りました。
今後は当協会の専務理事として、協会運営に注ぎたいと考えております。当然、会員の皆様のご協力なくして達成できない業務だと考えております。 会員の皆様のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

コプロセス添加剤(co-processed excipients)に関する最近の動向

IPEC Europe Newsletter-Insight-の本年8月31日号に「Focus on co-processed excipients(コプロセス添加剤に着目)」のタイトルでコプロセス添加剤に関する記事が掲載されました。 そこで、当ニュースレター編集部でも欧州薬品品質局(EDQM)及び米国のUSPにおけるコプロセス添加剤に関する最近の動向を調査し、まとめてみました。 日本においても、近年、一例として上げると、口腔内崩壊錠などの直打用賦形剤でのコプロセス添加剤の採用及び新規製剤への使用が検討されておりますので、欧米の規制動向を知っておくことは添加剤製造及び販売業者にとって今後のコプロセス添加剤の開発・製造及び販売に、また医薬品製造販売業者にとってもコプロセス添加剤の製剤への使用及びその製剤のグローバル展開にとって有用な情報です。

  • 【概要】
  • 低分子及び高分子医薬品を含めた新規の医薬品有効成分の開発に伴い、医薬品製造業者は処方、製造工程及び薬物送達の選択肢を広げるために新規の添加剤を必要としています。しかしながら、新規添加剤の開発には添加剤製造業者にとって莫大なコストと厳しい規制要件があり、近年新規化学物質(new chemical entity : NCE)の添加剤が市場に参入することがほとんどなくなっています。 そのような状況下で、新添加剤開発の一つの選択肢として、コプロセス添加剤(co-processed excipients : CPEs)の創出があります。これは新添加剤の市場への導入に関連する時間や経済的制約を伴うことなく、新しい添加剤の機能を導入できる手段を提供するものであり、数年前のほんの数例から、今日では数多くのコプロセス添加剤が市場で入手可能になっており、その数は今後も増え続けることが予想されます。

    コプロセス添加剤(CPEs)とは二種類或いはそれ以上の添加剤を組み合わせ、物理的な共処理(Co-processing、例えば、共乾燥(co-drying)、スプレードライ、造粒、押出、高せん断分散など)によって、個々の添加剤の単純な混合物では達成し得ない機能を示すように設計された添加剤です。これにより生みだされた優れた機能は、医薬品製剤の生産性、性能、安定性及びバイオアベイラビリティーを改善する機会を提供することが可能となります。例えば、コプロセス添加剤(CPEs)は即溶解性経口錠剤(Quick-dissolving oral tablets)において、製剤の機械的強度の改善に、また直接打錠用賦形剤として流動性と圧縮成形性の改善のために開発されてきました。

    このように医薬品製造業者及び添加剤製造業者にとってメリットがあるにもかかわらず、ほとんどのコプロセス添加剤は公定書のモノグラフ中に収載されていないことが、市場での使用の妨げとなっています。しかしながら、各薬局方は新しいコプロセス添加剤(CPEs)のためのガイダンスに取り組んでおり、特にそのモノグラフへの取込みは、医薬品製造業者によるこれらの添加剤の使用を促進することになるでしょう。

    現在検討中の取り組みとしては、欧州薬品品質局(EDQM)がコプロセス添加剤(CPEs)に関する総合モノグラフ(General monograph)の作成をしており、その目的は添加剤供給業者、医薬品製造業者及び品質評価者がコプロセス添加剤の共通の定義及び用語を用いるようにし、コプロセス添加剤(CPEs)の「特殊性」に基づいて必要な品質管理を定義することを意図しているようです。

    また、USPでは、すでにUSPガイドライン ”Submission Guideline for Excipients−Effective Date 04/29/2016−” を発出しており、その中の “C. CO-PROCESSED EXCIPIENTS” の項にコプロセス添加剤のモノグラフ改訂要請(RFR:Request For Revision to USP-NF)の際に考慮すべき六つの基準を示しています。このコプロセス添加剤に関するガイドラインのもととなったのは、2009年のPF Onlineの35(4) Stimuli to the Revision Process: Co-processed Excipientsと思われ、その中に「組み合わせ添加剤(Combination excipients)は、物理的混合物(Physical mixtures)とコプロセス添加剤(Co-processed excipients)という2つの広いカテゴリーに分類される」と記載されています。

    物理的混合物中の各成分は反応していないことと、混合前に各成分は適切に管理できることから、NFにモノグラフを収載する必要はないが、コプロセス添加剤は1つ以上の成分がその場 (in situ) で形成されるか、或いは、その成分がco-processing以前には単離されないことがあるため、新しいモノグラフとして検討することが適切であるとしております。 また、IPEC Europe及びIPEC-Americasは昨年、共同でCPEsの添加剤メーカー及びユーザーのためのガイド “ Co-processed Excipient Guide 2017 “ を発行した。これはCPEsの開発、製造及びその製剤への使用を支援するためのベストプラクティスアドバイス(最良実施のためのアドバイス)と自主ガイダンスを提供するものであり、新規コプロセス添加剤を含む製品の規制申請のために必要とされる安全性情報に関して、添加剤のユーザーと供給者の間のコミュニケーションを容易にすることを意図しています。添加剤の製造業者に対しては、分析法の開発、安定性及び「安全性のブリッジング」(つまり、個々の成分の安全性及び毒性に基づいてコプロセス添加剤を論証すること)を含む安全性の論証及びリスク分析の分野が含まれている。ユーザーに対しては、コプロセス添加剤の技術データ一式、規制及び安全性の論証、製法、目的に対する適合性、並びに供給に関する適正評価について記述しています。

    以上、Ph.Eur.及びUSP/NFでのコプロセス添加剤に関する動向は、JPにも波及する可能性が考えられますので、本ニュースレターのトピックスのひとつとしました。

    個々の詳細につきましては、会員サイトNEWSLETTER No.1 Nov.2018をご覧ください。

    米国と欧州におけるICH Q3Dの現在の実施状況 - 業界の視点から

    本題はIPEC AmericasのDavid R. Schoneker氏が今年の7月に中国で行われたIPEC Federation関係の会合に出席する前に当協会に立ち寄り、レギュラトリー委員会の勉強会として講演していただいた演題 “Current Implementation Status of ICH Q3D in the U.S and Europe - Industry Perspectives”を日本語に翻訳したものです。
    ICH Q3D 元素不純物ガイドラインは、既にUSP及びPh.Eur.に取り込まれており、その適用範囲は新薬製剤だけでなく、既存の製剤にも適用されています。 日本においては、第十八改正日本薬局方作成基本方針(平成28年8月25日薬事・食品衛生審議会答申)において「特に医薬品規制調和国際会議(ICH)Q3D医薬品の元素不純物ガイドラインを踏まえた元素不純物の管理について、国際的な動向を踏まえ、日本薬局方への取込みのロードマップを作成し、その実行に取り組む。」とされております。具体的な動きとしては日局17第二追補に向けて一般試験法「元素不純物試験法」及び参考情報「製剤中の元素不純物の管理」が検討されており、当協会会員各位にとってもホットなトピックであると思います。

    【概要】
    当日、Schoneker氏が講演で使用したスライド(全31スライド)を日本語に翻訳したもののうちから、概要として以下のスライドを示します。 全スライド及び補足説明につきましては会員サイトNEWSLETTER No.1 Nov.2018をご覧ください。

    Schoneker氏(Colorcon Inc. Director, Global Regulatory Affairs)は、IPEC Americasの設立メンバーの一人で、2007年〜2009年にはIPEC Americas会長を務められ、現在も会社業務に加え、IPEC Americas、IPEC Federation及び他団体の要職にあり、世界の添加剤業界のリーダーシップ的な役割を果たされております。

    *スライドクリックでZOOMします
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    PDG プレスリリース(仮訳)日米欧三薬局方検討会議 の成果

    2018 年 10 月 2 日〜3 日に、ストラスブール(フランス)において、日米欧三薬局方検討 会議(PDG: Pharmacopoeial Discussion Group−欧州薬局方(Ph. Eur.)、日本薬局方 (JP)及び米国薬局方(USP)の三薬局方とオブザーバーを務める WHO(国際薬局 方))の年次対面会合が開催されました。PMDAホームページ
    引き続き行われたIPEC Federationとの会合に、徳永専務理事も出席し、セルロース類、ポリエチレングリコール、アルファー化デンプン、二酸化ケイ素等についての議論がなされました.