日本医薬品添加剤協会
Safety Data
|  Home | menu |

和名 トコフェロール
英文名 Tocopherol

CAS 59-02-9 (link to TOXNET DB), 10191-41-0 (link to JP DB), (link to JPe DB), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 ビタミンE、dl-α-トコフェロール(101966)
収載公定書  JP(15)  食添(7)  USP/NF(27/22)  EP(4)
用途 安定(化)剤,抗酸化剤


最大使用量
経ロ投与 6mg、一般外用剤 1mg/g、直腸膣尿道適用 4mg


JECFAの評価:59-02-9 (link to JECFA)
ADI(1日許容摂取量)は「0.15-2mg/kg」と評価されている。1) (1986年)



単回投与毒性
コハク酸d-α-トコフィリルポリエチレングリコール
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
ラット 雄 経口 >7000 mg/kg 1)
ラット 雌 経口 >7000 mg/kg 1)

d-α-コハク酸トコフェロール
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
ラット 雄 経口 >7000 mg/kg 1)
ラット 雌 経口 >7000 mg/kg 1)



反復投与毒性 59-02-9 (link to TOXLINE), 10191-41-0 (link to TOXLINE)
ニワトリ
白色レグホン種のニワトリに酢酸dl-α-トコフェロールを1kg当たり220-2200IU含有する飼料を3-8週間与えた。甲状腺の機能低下が220IU群、骨格筋ミトコンドリアの呼吸率低下、成長率低下、プロトロンビン時間の延長、網赤血球増加及びヘマトクリット値減少が2200IU群に認められた。プロトロンビン時間の延長はビタミンK注射により改善された。1) (March et al., 1973)

マウス
マウスを用いた2ヶ月間の反復経口投与試験の最大耐量は50g/kgであった。1) (Demole, 1939)

ラット
ラットを用いた2ヶ月間の反復経口投与試験の最大耐量は4g/kgであった。1) (Demole, 1939)

α-トコフェロール100mgを19週間投与したラットにリン代謝の亢進が認められたが、10mg投与では認められなかった。1) (Weissburger & Harris, 1943)

約50mgのビタミンEを週1回経口投与したラットに脂肪肝、動脈弁付着部及び大動脈内膜壁に膠原線維の増殖を伴う内膜硬化が認められた。1) (Marxs et al., 1947)

α-トコフェロールの高用量を投与したラットに肝コレステロール値の上昇及び組織脂肪酸組成の変動が認められた。1) (Alfin-Slater et al., 1972)

F344ラットに酢酸dl-α-トコフェロールを1kg当たり500mg含有する飼料を39日間与たが、肝トリグリセリド値に影響を及ぼさなかった。しかし、35又は39日間の20%エタノール飲水投与との併用は肝トリグリセリド値を増加させ、脂肪肝の発生を増強させた。1) (Levander et al., 1973)

離乳期ラットに酢酸d-α-トコフェロールを1kg当たり35(普通食、対照)、875、1750、3500又は35000mg含有する飼料を13週間与えた。最高投与群に顕著な摂餌量低下及びGPT活性上昇が認められたが、875及び1750mg群には有害作用は見られなかった。1) (Dysmsza & Park, 1975)

1群雌雄各30匹のCD系ラットにコハク酸d-α-トコフィリルポリエチレングリコール0、0.002、0.2又は21%含有食を90日間与えた。体重増加、摂餌量、血液検査、血液化学検査、臓器重量及び病理組織学的検査に異常は認められなかった。1)(Krasavage & Terhaar, 1977)

離乳期ラットにビタミンEを1kg当たり 0、25、250、2500、10000又は 25000IU含有する飼料を8又は16ヶ月間与えた。体重増加遅延、ALP活性上昇及び骨の灰分含量低下が10000及び 25000 IU群に認められた。病理組織学的検査は実施されていない。1) (Yang & Desai, 1977)

SD系ラットにd-α-トコフェロールとブチル化ヒドロキシトルエンを併用で7日間の混餌投与又は腹腔内投与した。トコフェロールの血中濃度上昇作用、プロトロンビン時間及び部分トロンボプラスチン時間の延長作用は混餌投与群の方が強かった。2) (Takahashi et al., 1990)


遺伝毒性 59-02-9 (link to CCRIS), 10191-41-0 (link to GENE-TOX)
dl-α-トコフェロールは7, 12-ジメチルベンツ(a)アントラセンによる培養白血球の染色体切断率を低下させた。1) (Shamberger et al., 1973)

dl-α-トコフェロールはS. typhimuriumの5菌株を用いた試験において、マロンアルデヒド及びβプロピオラクトンのフレームシフト変異誘発を顕著に抑制した。1) (Shamberger et al., 1979)

サルモネラを用いたin vivo及びin vitroの変異原性試験において、α-トコフェロールはN-ニトロソ-N-メチルウレアで誘発される変異を抑制した。3) (Kalinina et al., 1979)


がん原性 59-02-9 (link to CCRIS), 10191-41-0 (link to CCRIS)
マウス
マウスにおいて、ビタミンE欠乏食よりもα-トコフェロール2mg隔日投与の方がジベンゾアントラセン誘発の肺腫瘍発生率が高く、皮膚腫瘍誘発率も高いことが報告されている(Telford, 1949 )。最近の研究では、ビタミンEは7,12-ジメチルベンツアントラセン及びクロトン油で誘発される皮膚腫瘍の発生率を抑制することが報告されている。1) (Shamberger & Rudolph, 1966; Shamberger, 1972; Slaga & Bracken, 1977).

ラット
小麦胚芽から抽出されたトコフェロールの高用量投与によりラットに肉腫が発生することが初期的な研究で報告されたが、再現性はなかった。1) (Dingemanse & van Eck, 1939 Evans & Emerson, 1939)

1群雌雄各60匹のCD系ラットに体重1kg当たり酢酸dl-α-トコフェロール500、1000又は2000mgを含有する飼料を与え、52週間の反復投与試験(1群10匹)及び104週間の癌原性試験(1群50匹)を実施した。試験途中で低プロトロンビン血症が認められたため、対照群を含む全群にビタミンKを飼料に補充した。成長率及び生存率には被験物質の影響が認められなかった。血清肝酵素活性の上昇及び肝臓マクロファージの集族が被験物質投与群に認められた。乳腺線維腺腫の発生率と投与量との間に逆相関が観察されたが、癌原性を示唆する腫瘍発生率の変化はなかった。1) (Wheldon et al., 1983)


生殖発生毒性 59-02-9 (link to DART
)
,  10191-41-0 (link to DART
)
マウス
ICR系マウスに妊娠7日から11日までd-α-トコフェロール591mgを強制経口投与した。被験物質投与群では91胎児中の1例に奇形(脳ヘルニア、開眼及び小顎症)が認められたが、無処置及び生理食塩液対照群のそれぞれ177、117胎児に奇形は見られなかった。1) (Book et al., 1974)

ラット
コハク酸d-α-トコフィリルポリエチレングリコール0、0.002、0.2又は2%含有食を雌雄のCD系ラットに与え、投与開始後112及び175日に交配させF1 世代第1及び第2産児を作出した。親動物は投与開始後265日まで混餌投与を継続した。被験物質を投与された親ラットの繁殖能及び哺育能に異常は認められず、血液検査及び臨床化学検査にも異常は見られなかった。1) (Krasavage & Terhaar, 1977)

1群15匹のCD系ラットに妊娠6日から16日までd-α-トコフィリルポリエチレングリコール0、0.002、0.2又は 2%含有食を与えた。受胎率、胎児の外形及び骨格の検査に被験物質投与群と対照群との間に差は認められなかった。1) (Krasavage & Terhaar, 1977)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見 59-02-9 (link to HSDB), 10191-41-0 (link to HSDB)
皮疹及び胃腸管刺激が小麦抽出ビタミンE補充の初期的研究において報告されているが、αトコフェロールに起因するか否かは不明である。1) (Shute, 1938)

成人に対する数ヶ月投与においてα-トコフェロール1gの忍容性は良好で、短期投与では1g以上でも有害作用は認められていない。α-トコフェロール又はその酢酸塩20-600mgは有害作用を伴わずに臨床使用されている。1) (Finkler, 1949; McLaren, 1949; Sebrell & Harris, 1954)

比較的少量のα-トコフェロール服用による胃部不快感などが文献的に報告されているが、α-トコフェロールに含有される脂肪物質又は心理的因子が関与していると考えられる。1) (Sebrell & Harris, 1954)

ビタミンEの副作用として重篤な脱力感及び倦怠感が健常成人に報告されている(Cohen, 1973a, b)。これらの副作用は二重盲検臨床試験でもα-トコフェロール720mgを投与した2名の健常人に報告されており(Briggs, 1974; Briggs & Briggs, 1974)、その内の1名は血清クレアチンキナーゼ活性の上昇及びクレアチン尿中排泄の増加を伴っていた。高用量のビタミンEを服用した若い成人男性に無症候性のクレアチン尿症が報告されている。1) (Hillman, 1957).

小児の鉄欠乏性貧血に対する鉄剤治療にビタミンEサプリメントを併用すると、治療効果が顕著に低下することが報告されている。1) (Melhorne & Gross, 1969).

α-トコフェロール1000mgを3ヶ月間投与した晩発性皮膚ポルフィリン症患者の24時間尿にアンドロステロン、エチオコラノロン、デヒドロエピアンドロステロンの顕著な増加及びプレグナンジオールの減少が認められた。1) (Pinelli et al., 1972).

ビタミンEのクリーム塗布又はスプレーにアレルギー反応を呈する一部の患者はα-トコフェロールに対するパッチテストに陽性を示すことが報告されている。1) (Brodkin & Bleiberg, 1965; Minkin et al., 1973; Aeling et al., 1973)

55歳の患者がプロトロンビン時間の延長と斑状出血のため来院した。患者はワルファリン及びクロフィブラートによる治療を受けており、更に最高1200IUのビタミンE製剤を2ヶ月間自己服用していた。ビタミンE服用中止により、プロトロンビン時間の異常は改善した。1) (Corrigan & Marcus, 1974)

α-トコフェロール300mgを投与した平均72歳の男性患者集団(52名)にコレステロール値の上昇が報告されているが(Dahl, 1974)、300mgを投与した若い健常男性の小集団には同様の変化は認められなかった。1) (Briggs, 1974; Briggs & Briggs, 1974).


引用文献
1) WHO Food Additive No.21 Tocopherol. 1986 (accessed Oct. 2004 http://www.inchem.org/documents/jecfa/jecmono/v21je05.htm
2) Takahashi O, Ichikawa H, Sasaki M. Hemorrhagic toxicity of d-alpha-tocopherol in the rat. Toxicology. 1990 Aug;63(2):157-65.
3) Kalinina LM, Sardarly GM, Alekperov UK Antimutagenic effect of alpha- tocopherol on the gene mutation frequency in Salmonella Genetika. 1979; 15(10) : 1880-2.



   

メニューへ



copyright(C) 2005 日本医薬品添加剤協会 all rights reserved
Japan Pharmaceutical Excipients Council