日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 卵白アルブミン
英文名 Egg White Albumin

CAS 9006-59-1 (link to ChemIDplus)
別名 

収載公定書 
用途 基剤


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
マウス 経口 >24000 mg/kg 根本ら, 1977 1)
マウス 静脈内 >18000 mg/kg 根本ら, 1977 1)
マウス 皮下 >24000 mg/kg 根本ら, 1977 1)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
Wistar系雌雄各10例を用いて,卵白アルブミン100 mg/kgを30日間皮下投与した。その他,生理食塩液20 mL/kgを投与した対照群に加えて,グリシン1500, 100mg/kg,グリシンと卵白アルブミンを1500+0.1,600+0.04, 100+0.007 mg/kg群を設けた。その結果,死亡例は認められず,体重増加は対照群と差がなかった。ただ,グリシンと卵白アルブミン配合群の最高用量では注射部位には壊死が残り,白血球数,好中球百分率の増加並びに脾重量の増加がみられた。組織学的に異常は観察されなかった。1) (根本ら, 1977)

Wistar系ラット1群雄15例を用いて,卵白アルブミン20 mg/kgを週6日,26週間腹腔内投与した。その他,生理食塩液4 mL/kgを投与した対照群に加えて,グリシン600,30,1.5 mg/kg,グリシンと卵白アルブミンを600+0.004,1.5+0.001 mg/kg群を設けた。その結果,グリシン600 mg/kg,グリシン・卵白アルブミン600+0.04 mg/kg群では投与時ごとにWrithing症候群が観察されたが,そのほかに特記すべき変化はなく,成長,食欲ともに対照群と差はなかった。血液,尿検査では特に異常はみられなかったが,血清トランスアミナーゼ値がグリシン1.5 mg/kg群を除く投与群で,対照群と比べて有意に高い値を示した。組織学的検査では,投与群の気管上皮細胞の増生,肝及び腎の線維化,気管粘膜下,グリソン氏鞘,肝小葉,胚胞,腎などに細胞浸潤がみられたが,いずれも極めて軽度であり,対照群でも同程度の場合も認められた。1) (根本ら, 1977)

Brown Norwaryラットに卵白アルブミンを1 mg/m3以下の微量から64 mg/m3濃度まで吸入可能なエアロゾル状態に調整して1週間30分,6週間吸入投与した結果,循環血液中に卵白アルブミン特異的免疫グロブリン IgE,IgG,IgAが試験期間中を通じて認められた。ラットは最終投与後1日目に屠殺して,肺組織を病理組織学的,組織化学的検査に供した。気管は分離して灌流後,in vitroでのメタコリン応答性を調べた。血清中の卵白アルブミン特異的抗体は曝露濃度,曝露期間に応じて増加した。抗体の測定可能なラットの例数も用量と期間に応じて増加した。肺の炎症性変化は卵白アルブミンの高濃度曝露(15,64 mg/m3)で認められた。感作したラットのいずれにもメタコリン反応性の増加はみられなかった。以上より,特異的抗体と肺の炎症は空気抗原濃度,曝露期間に依存したとみなした。2) (Siegel et al., 2000)


以下については該当文献なし
遺伝毒性
がん原性
生殖発生毒性 (link to DART)
局所刺激性


その他の毒性
抗原性
Hartley系モルモット雄に卵白アルブミン100 mg/mL,硫酸アルミニウム 100 mg/mLを生理食塩液で懸濁した後,0.5 mLを皮下投与して感作した。更に熱不活化B. Pertussis(20 OU/mL)を腹腔内投与した。誘発前は終夜絶食し,0.3%卵白アルブミン,生理食塩液を10分間吸入させた。卵白アルブミンを6時間ごとに2回誘発した群では,アセチルコリンへの感受性が高まった。誘発中測定した気管支痙攣の惹起前とピークとのPIP割合は590%増加し,気道の感受性が高まった。3) (Billah et al., 2002)

モルモットに卵白アルブミン 100 mg/kgを皮下,腹腔内投与して感作させた。15-20日後に卵白アルブミン エアゾール100 mg/mLを30秒間、あるいは超音波噴霧器で吸入誘発させた。その結果,直ちに気管支痙攣が惹起され,肺のインフレ圧力が増加(33.92 mmHg)した後,徐々に誘発前の値に減少した。誘発によるアナフィラキシーショック後1時間目にsubstance Pを5-40μg/kg静脈内投与した結果,用量に応じて,肺インフレ圧力が増加した。4) (Bresch et al., 2002)


ヒトにおける知見
該当文献なし


引用文献
1) 根本伸二,上野信行,鈴木 始,神部敏夫,橘 圀臣, GlycineとEgg-albuminの配合剤に関する研究 (第2報)−急性毒性,亜急性毒性および慢性毒性試験−,薬理と治療, 1977; 5: 1502-1512

2) Siegel PD, Sl-Humadi NH, Millecchia LH, Robinson VA, Hubbs AF, Nelson ER et al., Ovalbumin aeroallergen exposure-response in Brown Norway rats, Inhalation Toxicology, 2000; 12: 245-261

3) Billhar MM, Cooper N, Minnicozzi M, Warneck J, Wang P, Hey JA et al., Pharmacology of N-(3,5-dichloro-1-oxido-4-pyridinyl)-8-methoxy-2-(trifluoromethyl)-5-quinoline carboxamide (SCH351591), a novel, orally active phosphodiesterase 4 inhibitor, J. Pharmacol. Exp. Ther., 2002; 302: 127-197

4) Breschi MC, Martinotti E, Apostoliti F, Nieri P, Protective effect of silymarin in antigen challenge- and histamine-induced bronchoconstriction in in vivo guinea-pigs, Euro. J. Pharmacol., 2002; 437: 91-95




   



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