日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 濃グリセリン
英文名 Concentrated Glycerin

CAS 56-81-5 (link to TOXNET DB), (link to JP DB), (link to JPe DB), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 グリセロール,Glycerol
収載公定書  JP(15) 食添(第7版) 外原規(2006) USP(23)
用途 安定(化)剤,可塑剤,可溶(化)剤,基剤,矯味剤,結合剤,コーティング剤,剤皮,湿潤剤,湿潤調整剤,等張化剤,粘稠剤,粘稠化剤,分散剤,溶剤,溶解剤、溶解補助剤、,流動化剤


最大使用量
経口投与1920mg,静脈内注射12.5g,筋肉内注射80mg,皮下注射80mg,一般外用剤400mg/g,舌下適用50mg/g,耳鼻科用剤25mg,眼科用剤26mg,歯科外用および口内用400mg/g,直腸膣尿道適用256mg


JECFAの評価  (link to JECFA)
人に対する1日許容摂取量(ADI)は明示されていない。


単回投与毒性(link to TOXNET DB),
LD50 又はLC50
動物種投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
天然グリセリン ラット 経口
ラット(雌) 経口
27.5 mg/kg
27.2 mg/kg
Smyth et al., 1941
Hine et al., 1953
合成グリセリン1 ラット(雌) 経口 27.2 mg/kg Hine et al., 1953
天然グリセリン ラット(雌) 経口
ラット(雄) 経口
17.2-22.7 mg/kg
22.1-28.8 mg/kg
Atlas Co., 1961
合成グリセリン2 ラット(雌) 経口
ラット(雄) 経口
19.4-26.6 mg/kg
19.8-26.4 mg/kg
Atlas Co., 1961
天然グリセリン マウス 経口 20.65±0.47 cc/kg Anderson et al., 1950
合成グリセリン1 マウス 経口 20.81±0.58 cc/kg Anderson et al., 1950
天然グリセリン マウス(雄) 経口 23±1.3 mg/kg Hine et al., 1953
合成グリセリン1 マウス(雄) 経口 23±1.9 mg/kg Hine et al., 1953
天然グリセリン モルモット  経口 7.75 mg/kg Smyth et al., 1941
天然グリセリン モルモット  経口 10±1.3 mg/kg Hine et al., 1953
合成グリセリン1 ウサギ  経口 14 - 18 cc/kg Deichemann et al., 1941

合成グリセリン1: プロピレンから合成, 合成グリセリン2: 糖質から合成



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
20匹の2グループにそれぞれ,水及び10mL/1kg の20%グリセロール水溶液を40日間投与した。尿管におけるカルシウムの堆積が報告されたが,その他の影響は報告されなかった。1) (Kopf et al., 1951)

ラットに5, 10 および 20%の天然グリセロールまたは,合成グリセロールを含む餌を与えた。20%のグリセロールを含む餌を与えられたグループは1年間,その他のグループは2に年間飼育した。20%のグループで肝脂肪及び肝臓グリコーゲン量は天然および合成グリセリンを与えられたグループ間で類似していた。臓器/全体重比について,20%の合成グリセリンを与えられた雌のラットは,標準のラットと比較して肝臓の重量が重く,5%の合成グリセリンを与えられた雌のラットは5%の天然グリセリンを与えられた雌のラットと比較して,心臓の重量が増加した。肝臓、脾臓、副腎、腎臓、小腸、膀胱及び生殖器の顕微鏡検査を行ったが,薬剤(天然及び合成グリセロール)あるいは薬剤濃度による影響を明らかにできなかった。1) (Hine et al., 1953)

5匹ずつの雌のラット2グループに,容量比5%の天然グリセリンまたは,5%の合成グリセリンを与えた。餌は任意に与え,1ヶ月ごとに,血液学的研究(ヘモグロビン,赤血球,白血球およびその分画)を行い,実験終了時に,心臓、肺、脾臓、胃、腸、腎臓、胸腺、甲状腺及び腎臓について,顕微鏡検査を行った。体重は,グリセリンを摂取しているグループでわずかに増加した。テストグループと対照グループで,血液学的数値は類似していた。血液学的研究は,表皮と骨髄の接合部付近に石灰化した固まりを含むことを示した。この他に化合物に関連する影響は観察されなかった。1) (Anderson et al., 1959)

性別によって均等に分けられた18匹のラットのグループにそれぞれ0%, 20%, 10%, 5%の天然グリセロールを含む餌,および,0%, 20%, 10%, 5%の合成グリセロールを含む餌を50週間投与した。(合成グリセロールは,糖質の加水分解により合成され,1,2,3-ブタントリオール 0.11%及び1,2,4-ブタントリオール 0.09%を含む)タンパク質の量は,試験用の餌と対照用の餌の間でリンタンパク質によってバランスを保ち,餌のカロリーは同等であった。試験区と標準区のラットの成長速度に顕著な差は無かった。組織と臓器に対する病理学的検査を行ったところ,脳下垂体の成長に最も大きな影響を与える可能性を示した。しかし,どの成長点においてもグリセロールに起因すると考えられる規則性や差異は無かった。組織と臓器に対する顕微鏡検査において,グリセリンの種類及び投薬量の差に関連する重要な病理学的結果は示されなかった。雄のラットについて,試験区と標準区のラットの出生率に有意な差はなかった。雌のラットについて,対照区のラットに関する病理学上の調査結果は示されなかったが,試験区のラットの出生率に関しては,雄のラットと類似の結果が観察された。1) (Atlas Chemical Co., 1969)

性別によって均等に分けられた48匹のラットのグループにそれぞれ0%, 20%, 10%, 5%の天然グリセロールを含む餌,および,0%, 20%, 10%, 5%の合成グリセロールを含む餌を2年間投与した。(合成グリセロールは,糖質の加水分解により合成され,1,2,3-ブタントリオール 0.11%及び1,2,4-ブタントリオール 0.09%を含む)タンパク質の量は,試験用の餌と対照用の餌の間でリンタンパク質によってバランスを保ち,餌のカロリーは同等であった。グリセロールを含む餌を与えられたラットは標準のネズミよりも急速に体重が増加した。雄及び雌のラットの臓器/全体重の比について,20%のグリセロールを含む餌を与えられた場合,腎臓の重量が著しく増加し,10%のグリセロールを含む餌を与えられたラットは,心臓の重量が著しく増加した。臓器と組織に関する組織病理学的な検査において,薬剤(天然及び合成グリセロール)あるいは薬剤濃度に関係する影響を明らかにできなかった。1)) (Atlas Chemical Ind., 1969)


遺伝毒性 (link to CCRIS)


がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
ラットに,61%のデンプンを含み,グリセロールを含まない餌,20%のデンプンと41%のグリセロールを含む餌,及び,61%のグリセロールを含み,デンプンを含まない餌をそれぞれ与えた。41%のグリセロールを含む餌を与えたラットは,繁殖を妨げられなかった。しかし,61%のグリセロールを含む餌を与えたラットは,栄養が不適切であったため,妊娠しなかった。1) (Johnson et al., 1933)

9匹の雄と18匹の雌のグループに30%のグリセロールを含む餌を与えた。この餌を食べたラットは7世代にわたり繁殖を繰り返した。この餌を与えられた雌から生まれた子供は標準の雌と比較して,平均20%体重が軽かった。これより少ない量のグリセロールを用いた研究は,餌の栄養が不適当であったため成功しなかった。1) (Guerrant et al., 1947)

ラット(雄雌を均等に分けた)2グループに,体重100gあたり1mLの蒸留水をまたは,体重100gあたり1mLの20%グリセロール水溶液を与え,それぞれのグループから動物(P)を育成した。それぞれのグループから,妊娠したラット5匹ずつの2グループに分けた。ひとつのグループに,妊娠期間中及び出産後12週間薬剤を投与し続けた。ラットの子供(F1)の成長を60日間観察し,100日後にF1世代のラットの一部について,生殖器の組織学的検査行った。10匹の雄とF1世代の10匹の雌の交配した。これらのラットにはグリセローールを投与したことは,F1およびF2世代の子供の成長と発情期の発生周期に影響を与えなかった。1) (Wegener, 1953)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見 (link to HSDB)
誤用
その他
14名の学生(男性10名,女性4名)に95%グリセロール110gを50日間毎日,食事と一緒に与えた。尿酸の排泄と維持代謝に際だった影響はなく,赤血球,白血球及びヘモグロビン量にも変化はなかった。副作用も報告されなかった。1) (Johnson, 1933)


引用文献
1) Greig.JB. WHO Food Additive Series No.10. Glycerol and glycerol di-acetate. Twentieth report of the Joint FAO/WHO Expet Committee of Food Additives (JECFA). Geneva, 1976. (accessed; December 2003, http://www.inchem.org/documents/jecfa/jecmono/v10je06.htm



   


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