日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ミリスチン酸ミリスチル
英文名 Myristyl Myristate

CAS 3234-85-3 (link to ChemIDplus)
別名 ミリスチルミリスタート,Tetradecyl tetradecanoate

収載公定書  薬添規(JPE2018) 外原規(2006)
用途 基剤


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
ラット 経口 >14.43 g/kg MB Research Laboratories, 1978 1)
ラット 経口 8.6 g/kg Bio-Toxicology Laboratories, 1975 2)
ラット 経口 > 0.4 g/kg Avon, 19743)


反復投与毒性 (link to TOXLINE)


遺伝毒性
がん原性

生殖発生毒性 (link to DART)


局所刺激性
皮膚刺激性
18匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。100%ミリスチン酸ミリスチル0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。密封塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。同様の試験を他に2試験、合計3試験実施した。その結果、各試験において、ごく軽度または軽度の刺激性が認められ、その皮膚一次刺激性インデックスは0.11-1.50であった(各試験の皮膚一次刺激性インデックスは不明)。(Avon, 19754), 5), 19766)

6匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。100%ミリスチン酸ミリスチル0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。密封塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。その結果、軽度の刺激性が認められ、その皮膚一次刺激性インデックスは1.13であった。7)(MB Research Laboratories, 1979)

3匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。100%ミリスチン酸ミリスチル0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。密封塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。その結果、軽度の刺激性が認められ、その皮膚一次刺激性インデックスは0.5であった。8)(Leberco Laboratories, 1970)

6匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。コーンオイルに混合した50%ミリスチン酸ミリスチル0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。密封塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。その結果、刺激性はほとんど認められず、その皮膚一次刺激性インデックスは0.1であった。9)(Consumer Product Testing, 1976)

3匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。ミネラルオイルに混合した5%ミリスチン酸ミリスチル0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。その結果、刺激性は認められず、その皮膚一次刺激性インデックスは0.0であった。10)(Leberco Laboratories, 1976)

9匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に単回パッチテストを実施した。8%ミリスチン酸ミリスチルを含む香水(成分不明)0.5 mLを、無傷及び擦過傷をつけた皮膚表面に24時間密封塗布した。塗布終了直後及び終了48時間後に、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。その結果、刺激性は認められず、その皮膚一次刺激性インデックスは0.0であった。3)(Avon, 1974)

眼刺激性
6匹のウサギ(系統及び性別不明)に100%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼に眼刺激性は認められなかった。6)(Avon, 1976)

6匹のウサギ(系統及び性別不明)に100%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼に眼刺激性は認められなかった。5)(Avon, 1976)

6匹のウサギ(系統及び性別不明)に100%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼にごく軽度の眼刺激性が認められ、点眼終了24、48及び72時間後の平均スコアーはそれぞれ2.67、1.0及び0.33であった。11)(MB Research Laboratories, 1977)

6匹のウサギ(系統及び性別不明)にコーンオイルに混合した50%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼にごく軽度の眼刺激性が認められ、点眼終了24、48及び72時間後の平均スコアーはそれぞれ1.3、0.33及び0.0であった。9)(Consumer Product Testing, 1976)

6匹のウサギ(系統及び性別不明)にコーンオイルに混合した15%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼にごく軽度の眼刺激性が認められ、点眼終了24、48及び72時間後の平均スコアーはそれぞれ3.67、2.0及び0.0であった。2)(Bio-Toxicology Laboratories, 1975)

6匹のウサギ(系統及び性別不明)に8%ミリスチン酸ミリスチルを含む香水(成分不明)0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼にごく軽度の眼刺激性が認められ、点眼終了24、48及び72時間後のスコアーはそれぞれ1.0、0.0及び0.0であった。3)(Avon, 1974)

3匹のウサギ(系統及び性別不明)に軽ミネラルオイルに混合した5%ミリスチン酸ミリスチル0.1 mLを点眼した(点眼回数不明)。点眼終了24、48及び72時間後に、Draize法に従い眼表面を観察した結果、処置眼に眼刺激性は認められなかった。12)(Leberco Laboratories, 1976)


その他の毒性
皮膚毒性
10匹の白色ウサギ(系統及び性別不明)に100%ミリスチン酸ミリスチル2.0 g/kgを投与し(詳細な投与方法は不明)、Draizeの皮膚反応判定基準に従い採点した。紅斑及び痂皮形成のスコアーは2以下、浮腫形成のスコアーは1以下であった。13)(MB Research Laboratories, 1978)

皮膚感作性試験
10匹の雄モルモットにLandsteinerとJacobの方法を用いて、週3回、合計10回100%ミリスチン酸ミリスチルを皮膚表面に塗布した。第1回目の感作では0.05 mL、以降9回の感作では0.1 mLを塗布した。感作終了2週間後に100%ミリスチン酸ミリスチル0.05 mLで惹起した結果、皮膚感作性は認められなかった。14)(MB Research Laboratories, 1978)

8匹の雄モルモットにLandsteinerとJacobの方法を用いて、週3回、合計10回0.1%ミリスチン酸ミリスチルを皮内投与した。第1回目の感作では0.05 mL、以降9回の感作では0.1 mL皮内投与した。感作終了2週間後に0.1%ミリスチン酸ミリスチル0.05 mLで惹起した結果、皮膚感作性は認められなかった。15)(Leberco Laboratories, 1970)


ヒトにおける知見
20名の被験者でミリスチン酸ミリスチルを8%含むコロンを24時間クローズドパッチテストで皮膚一次刺激性試験を実施したところ、19名は刺激反応を認めなかったが、1名はドレイズ法で1.0の結果であった。皮膚一次刺激性インデックスを計算したところ、0.05であった。
196名の被験者でミリスチン酸ミリスチルを8%含むコロンを反復障害パッチテストで試験した。ミリスチン酸ミリスチルを被験者それぞれの片腕にクローズドパッチで1週間に3日、合計10回、誘導のための暴露を行った。14日間の休薬期間をおき、チャレンジテストを行った。ミリスチン酸ミリスチルに感作性はなかった。16) (Elder, 1982)


引用文献
 1) MB Research Laboratories, Oral LD50 in rats, submission of data by Cosmetic Toiletry and Fragrance Association (CTFA), 1978 Jan. 22

 2) Bio-Toxicology Laboratories, Toxicity studies batch No. 1851, submission of data by CTFA, 1978 Dec. 5

 3) Avon, Biological evaluation summary report,. submission of data by CTFA, 1974 April 4

 4) Avon, Biological evaluation summary report,. submission of data by CTFA, 1976 June 24

 5) Avon, Biological evaluation summary report,. submission of data by CTFA, 1976 Dec. 14

 6) Avon, Biological evaluation summary report,. submission of data by CTFA, 1976 Dec. 13

 7) MB Research Laboratories, Test for primary dermal irritation in rabbits, submission of data by CTFA, 1979 Nov. 19

 8) Leberco Laboratories,Assay No. 11365, submission of data by CTFA, 1970 Dec. 4

 9) Consumer Product Testing, Final report: primary dermal irritation, ocular irritation, acute oral toxicity, 1976 Dec. 13

 10) Leberco Laboratories, Assay No. 67588, submission of data by CTFA, 1976 Aug. 6

 11) MB Research Laboratories, Report on rabbit eye irritation, submission of data by CTFA, 1977 Jan. 25

 12) Leberco Laboratories, Assay No. 67587, submission of data by CTFA, 1976 Aug. 9

 13) MB Research Laboratories, Acute dermal toxicity in rabbits, submission of data by CTFA, 1978 Jan. 22

 14) MB Research Laboratories, Guinea pig sensitization, submission of data by CTFA, 1978 Jan. 22

 15) Leberco Laboratories, Assay No. 11366, submission of data by CTFA, 1970 Jan. 2

 16) Elder R. et al. Final report on the safety assessment of myristyl myristate and isoproryl myristate J. Am. Coll. Toxicol 1982; 1: 55-80 (link to the Journal




   



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