日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 クエン酸トリエチル
英文名 Triethyl Citrate

CAS 77-93-0 (link to ChemIDplus)
別名 

収載公定書  薬添規 (JPE2018), 外原規(2006USP/NF(28/231)  EP(5)  
用途 可塑剤,コーティング剤


JECFAの評価 (link to JECFA)
ラットにおける無毒性量は混餌投与で4%(40,000ppm)で、これは2g/kg体重に相当する。 ヒトにおける1日許容摂取量(ADI)は020mg/kg体重と推定される。1) (WHO Food Additives Series 19, 1984)


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)

動物種

投与経路

LD50(mg/kg体重)

文献

ラット

経口

8000mg/kg

Finkelstein Gold, 19592) 4)

ラット雌

経口

6.7g/kg

大滝ら、19853)

マウス雄

経口

8.0g/kg

大滝ら、19853)

ラット雌

皮下

7.6g/kg

大滝ら、19853)

マウス雄

皮下

7.5g/kg

大滝ら、19853)

ラット雌

腹腔内

4.8g/kg

大滝ら、19853)

マウス雄

腹腔内

4.5g/kg

大滝ら、19853)

ネコ

経口

4000mg/kg

Finkelstein Gold, 19592) 4)




反復投与毒性 (link to TOXLINE)
マウス
1
20匹のマウスにクエン酸トリエチルを350 mg/kg体重を14日間腹腔内投与したが、対照群より平均成長率が僅かに低かった。赤血球数、白血球数、凝固時間やヘモグロビン濃度は両群間で有意差がなかった。両群の肝、肺や腎の剖検所見はなんら病理学的細胞変化を認めなかった。4)

ラット
若年Wistarラットにクエン酸トリエチルを12及び4 g/kg体重を8週間経口投与した。尿検査、血球数及び発育について定期的に検査したが、毒性所見は認められなかった。胸部あるいは腹部組織の剖検所見は、大きさの異常は認められなかった。心、肺、胃腸管、肝、膵、脾及び腎は、非投与対照群と同様であった。2) 4) (Finkelstein Gold, 1959)

離乳期Sprague-Dawleyラット15匹ずつの雌雄3群にクエン酸トリエチルを0.331.0及び3.0%を含有する餌を2年間投与した。初期の投与量は0.2から2.0g/kg体重に該当する。餌中のクエン酸トリエチルが増加するにつれて対照群に比べて体重増加や摂餌量が減少した。(この試験結果からは特に動物数についてのデータは得られなかった)クエン酸トリエチルに起因する血液、尿検査、生存率、発育あるいは組織病理所見に対する悪影響は認められなかった。4) (LaWall & Harrison, 1954)

ネコ
ネコにLD507%(280 mg/kg体重)のクエン酸トリエチルを8週間経口投与したが、体重、血球数、ヘモグロビン、血糖及び血中窒素は対照群と差がなかった。しかし脱力感、運動失調及び抑うつが4あるいは5回目の投与で見られた。投与中止後、14日以内に回復した。4) (FinkelsteinGold, 1959)

イヌ
若成人雌雄ビーグル犬各2匹にクエン酸トリエチルを0.05及び0.25mL/kg体重/日、6ヶ月間投与した。体重、組織重量、血液及び尿検査、組織の組織学的検査には悪影響は認められなかった。一日投与量を2.5-3.5 mL/kg体重に増加して7-12週間投与すると、3匹に肝の病理的変化が見られた。以前に2mL/kg体重で悪影響が見られた4匹目の犬は、1.5mL/kg体重/日を1ヶ月間追加投与しても組織学的変化は認められなかった。4) (Hodge, 1954)


遺伝毒性
ネズミサルモネラ菌TA1535TA1537及びTA1538/ミクロゾームを用いたプレート及び懸濁試験並びに組織ホモジネート活性化系存在下あるいは非存在下での酵母菌D4による試験において、クエン酸トリエチルは復帰突然変異原性を示さなかった。4) (Litton Bionetics, Inc., 1976)


がん原性



生殖発生毒性 (link to DART)
ラット
0.5-10mg/kg
体重の範囲で、クエン酸トリエチルは鶏胚で催奇形性を示さなかった。肺胞に注射したとき、LD501349.86mg/kg体重(67.79mg/卵)であった。4) (Verrett, 1976)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
神経毒性
Wistar
ラットにクエン酸トリエチル400mg/kg体重を腹腔内投与したとき、立ち直り反射の消失が見られたが、15分以内に回復した。4)

ウサギにクエン酸トリエチル100mg/kg体重を静注したとき、運動活性と呼吸の明らかな増加が見られた。4) (Meyer et al., 1964)


ヒトにおける知見 (link to HSDB)


参考文献
内閣府 添加物 database(link to 評価書
)

1) Triethyl citrate (WHO Food Additives Series 19), Rome, 19-28 March 1984 (accessed: Nov. 2005) (link to WHO DB)
2) Finkelstein M, Gold H. Toxicology of the citric acid esters: tributyl citrate, acetyl tributyl citrate, triethyl citrate and acetyl triethyl citrate. Toxicol. Appl. Pharmacol. 1959: 1, 283-298
3) 大滝 恒夫、山田 茂夫、畔上 二郎、今井 清 クエン酸トリエチルのラットにおける急性毒性試験 医薬品研究:1985: 16, 214-9
4) Triethyl citrate (WHO Food Additives Series 14), Geneva, 2-11 April 1979 (accessed: Nov. 2005)  (link to WHO DB
)


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