日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ヒドロキシプロピルセルロース(低置換ヒドロキシプロピルセルロースを含む)
英文名 Hydroxypropylcellulose (Low Substituted Hydroxypropylcellulose)

CAS 9004-64-2 (link to ChemIDplus),  (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 Hyprolose, Cellulose 2-hydroxypropyl ether, Oxypropylated cellulose
収載公定書  局方(JP17) ,USP/NF(26/21) EP(4)
用途 安定(化)剤 ,滑沢剤,可溶(化)剤,基剤,結合剤,懸濁(化)剤,光沢化剤,コーティング剤,糖衣剤,乳化剤,粘着剤,粘着増強剤,粘稠剤,粘稠化剤,賦形剤,分散剤,崩壊剤,崩壊補助剤,防湿剤


JECFAの評価 (link to JECFA)
食品添加物として使用する際には緩下作用に注意する必要がある。1日許容摂取量(ADI)は推定でき ず規定していない。


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)

動物種

投与経路

LD50 (mg/kg体重)

文献

マウス

経口

>5 g/kg(低・中・高粘度)

Kitagawa et al., 1970 1)

ラット

経口

10200-15000

Kitagawa et al., 1976b 2)

経口

>5 g/kg(低・中・高粘度)

Kitagawa et al., 1970 1)

経口

10.2 g/kg

CTFA, 1962 1)

経口

10.1 mL/kg (8.2 g/kg)

Stillmeadow, 1977 1)

ウサギ

経皮

5.0 g/kg

CTFA, 1974 1)




反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
ラット1群雌雄各5匹にヒドロキシプロピルセルロース(低置換体)を1%アラビアゴム液に懸濁して1.5,3.0,6.0 g/kgを30日間強制経口投与した結果,体重増加,器官重量,血液学的検査,尿検査,組織検査に著変は認められなかった。1) (Kitagawa et al., 1976)

ラット1群雌雄各5匹にヒドロキシプロピルセルロースを0,0.2,1.0,5.0%濃度で飼料に混入して90日間混餌投与した。生存率,体重増加,摂餌量,造血機能・尿排泄機能所見,器官重量,器官重量比,剖検,病理組織所見に投与群と対照群で差は認められなかった。1) (CTFA, 1963)

Wistar系ラット1群雌雄各10匹に1%アラビアゴム液に懸濁したヒドロキシプロピルセルロースの0 ,1.5,3.0,6.0g/kgを30日間又は6ヵ月間投与した。30日間投与した群では体重、摂餌量、血清化学検査、尿検査又は病理組織所見に異常は見られなかった。3g/kg群の雌で肝、腎及び脳重量が軽かったが用量反応性はなかった。6ヵ月間投与した群では高用量群で体重の減少が見られ、その変化は雌では有意であった。血清化学検査、尿検査又は病理組織所見には投与に関連する影響は見られなかった。高及び中用量群の雄ではヘモグロビンが低値を示し、2,3の群では臓器重量に増減が見られたが用量反応性はなく、また、病理変化を伴ったものではなかった。2) (Kitagawa et al., 1976b)

ヒヨコ
ヒヨコを10群に分け、2%のヒドロキシプロピルセルロース、植物性ガム又は他の多糖類を混入した低脂肪食、高脂肪食又は高蛋白食を3週間与えた。対照群には2%セルロースを与えた。ヒドロキシプロピルセルロースを与えたヒヨコの成長は対照群に比し8%低下したが、摂餌量、窒素保持力及び脂質吸収には影響なかった。1) (Kratzer et al., 1967)


遺伝毒性
該当文献なし


がん原性
ラット
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
ラット
1群36-37匹のウィスター系妊娠ラットに、1%アラビアゴムで懸濁したヒドロキシプロピルセルロースの 0, 200, 1000又は5000mg/kgを妊娠7-17日に1日1回経口投与した。妊娠21日目に1群21-24匹のラットを帝王切開し、黄体、着床、生仔、死亡胚、吸収胚を数えた。生仔は体重を測り、外表奇形の有無を観察した。1群2-3匹の胎仔については骨格奇形の、残りの胎仔については内臓奇形の観察に供した。1群12-15の母獣は自然分娩させて生仔及び死産仔の数を数え、体重、性別、外形奇形の有無について調べた。生仔については哺育期間中の一般行動を観察し、出産及び離乳時の体重ならびに下切歯萌出、眼瞼開存日をチェックした。生後28日目に離乳し、離乳後の一般行動、神経反射を調べた。骨格の観察は軟X線で行った。1群雌雄各1匹を屠殺し臓器重量を測定した。残りの離乳仔は5週間観察し、性成熟時に条件回避反応、生殖能を調べた。高用量群では同腹仔の平均体重及び着床前死亡率の増加が見られた。骨格異常発生頻度の増加は中用量群でのみ見られた。性成熟時の反射行動、生殖能には影響は見られなかった。1) (Kitagawa et al., 1978a)

ウサギ
1群11-12匹のヒマラヤ系ウサギに、1%アラビアゴムで懸濁したヒドロキシプロピルセルロースの 0, 200, 1000又は5000mg/kgを妊娠6-18日の間に1日1回経口投与した。妊娠29日目に帝王切開し胎仔の内臓異常及び骨格異常を調べた。高用量群では妊娠18日目迄軽度の体重減少が見られた。着床数の軽度減少には用量反応性はなかった。吸収胚は中用量群でのみ有意に減少した。生仔の平均体重には変化なかった。着床前死亡率は5000mg/kg群でのみ有意に高かった。奇形発生頻度は従来の対照群と変わらず用量反応性も見られなかった。1) (Kitagawa et al., 1978b)


局所刺激性
ウサギに2%ヒドロキシプロピルセルロース水性液を点眼してフランス法により眼粘膜刺激性を調べた結果,刺激性インデックスAOIIは7.33で軽微な刺激物(slight irritating)と判断された。 1)(Guillot et al., 1981)

ウサギに0.5,1.0%ヒドロキシプロピルセルロース水性液を点眼してDraize法により眼粘膜刺激性を調べた結果,総評点は0で刺激性はないとみなされた。 1) (Kitagawa et al., 1978)

ウサギに2%ヒドロキシプロピルセルロース水性液を健常皮膚,損傷皮膚に23時間閉塞パッチを行った結果,皮膚一次刺激性インデックスPIIは0.13で刺激性はないとみなされた。 1) (Guillot et al., 1981)

ウサギに2%ヒドロキシプロピルセルロース水性液を皮膚に週5回,6週間閉塞パッチを実施した結果,皮膚累積刺激性インデックスMMIIは0.67で軽微な刺激性及び相対的に耐性は良好とみなされた。 1) (Guillot et al., 1981)

イヌにヒドロキシプロピルセルロース 5 mgを点眼して眼粘膜刺激性を調べた結果,刺激性は認められなかった。 1) (Celatt et al., 1979)


その他の毒性
依存性
抗原性
その他


ヒトにおける知見
誤用
その他


参考文献
内閣府 添加物 database(2005年) (link to 評価書)
小児(STEP database;要Login)

1) J. Am. Coll. Toxicol., 1986; 5: 1-59 (link to the Journal)
2) WHO Food Additive Series No.26 Modified cellulose. 1990  (link to WHO DB)



     

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