日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ヒプロメロース
英文名 Hydroxypropylmethylcellulose 2208

CAS 9004-65-3 (link to TOXLINE), (link to JP DB), (link to JPe DB), (link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 Hypromellose, Hyprome Hose, Methylcellulose propylene glycol ether, Cellulose 2-hydroxypropyl methyl ether
収載公定書  JP(15) 食添(8)  USP/NF(26/21) EP(4)
用途 基剤,結合剤,コーティング剤,賦形剤,粘着剤,粘稠剤


最大使用量
経口投与 40mg、一般外用剤 15mg/g、殺虫剤

JECFAの評価 (link to JECFA)
食品添加物として使用する際には緩下作用に注意する必要がある。1日許容摂取量(ADI)は推定できず規定していない。


単回投与毒性 (link to TOXLINE)
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) 2208
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
マウス 腹腔内 5000 mg/kg Hodge et al., 19502)
ラット 雌 経口 >1 g/kg CTFA, 1978 3)
ラット 雌 経口 >4 g/kg Informatics, 1972 3)
ラット 腹腔内 5000mg/kg Hodge et al., 1950 2)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラット
1群雌雄各10匹の離乳期ラットに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプBの 0, 2, 10又は50%含有食を30日間与えた。最高用量群では体重増加が抑制され、下痢が認められた。組織学的な障害はなく、尿及び血液検査においても異常はなかった。1) (Hodge et al., 1950)

1群雌雄各10匹の幼若ラットに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプAの 0, 1, 3, 10又は30%含有食を121日間与えた。30%群では体重増加遅延が見られ、栄養不良のため50%が死亡した。軽度の体重増加抑制は10%群の雄でも見られたが、3%以下の低用量群では見られなかった。内部臓器の組織学検査ではいずれの群においても異常はなかった。1) (McCollister & Oyen, 1954)

1群雌雄各10匹の幼若ラットに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプCの 0, 0.3, 1, 10又は20%含有食を90日間与えた。20%群では著しい体重増加の遅延が見られ、死亡率は30%に達した。軽度の体重増加抑制は10%群の雄でも見られ、その変化は有意であった。低用量群では異常は見られなかった。内部臓器の組織学検査ではいずれの群においても異常はなかった。1) (McCollister et al., 1961)

1群雌雄各10匹の幼若ラットに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプDの 0, 0.3, 1, 10又は20%含有食を84日間与えた。雄では20%群で明確な、10%群で軽度の体重増加の遅延が見られた。雌では異常はなかった。臓器の重量及び肉眼的及び顕微鏡的所見においても異常は見られなかった。1) (McCollister et al., 1961)

1群雌雄各10匹の幼若ラットに、高粘度(粘度;31,800 cP)又は低粘度(粘度;8,480 cP)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの 0, 1, 3又は10%含有食を92日間与えた。いずれの群においても死亡率、成長、一般状態、行動、体重、摂餌量、血液学的及び血液化学的検査、臓器重量、組織の肉眼的及び顕微鏡検査に有害作用は認められなかった。1) (McCollister & Copeland, 1967)

1群雌雄各10匹のダウウィスター系ラットに低粘度(粘度;10 cP)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの 0, 1, 3又は10%含む食餌を、別のSD系ラットには高粘度(粘度;4,000 cP)のそれを 0, 3又は10%含む食餌を90日間与えた。いずれの群においても死亡率、体重、摂餌量、尿検査、血液学的及び血液化学的検査、臓器重量、組織の肉眼的及び顕微鏡学的検査に有害作用は認められなかった。1) (McCollister et al., 1973)

1群雌雄各15匹のSD系ラットに低粘度(粘度;4.22 cP)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの0, 1又は5%含有食を90-91日間与えた。いずれの群においても死亡率、体重、摂餌量、尿検査、血液学的及び血液化学的検査、臓器重量、組織の肉眼的及び顕微鏡検査に異常は認められなかった。1) (Schwetz et al., 1973)

1群5匹のウィスター系雄ラットに体重1kg当たり 0又は100gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有する食餌を12日間与えた。検体投与群では重量及び内容物増加に伴った盲腸及び結腸の肥大化が見られ、それらの細菌密度は低下していた。1) (Wyatt et al., 1988)

Crj:CD(SD)ラットに市販の最低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースを505, 1020又は2100mg/kg、3ヶ月間経口投与した。最高用量の2100mg/kg群では投与28日以降に雌雄とも対照群に比し体重は低下したが有意差はなかった。この変化は雄でより顕著であった。同用量群の雄では摂餌量及び尿量の減少傾向も見られたが有意ではなかった。一般状態、血液分析、眼検査、臓器重量、剖検所見及び組織検査では偶発的に有意差の認められる項目もあったが用量反応性はなかった。最低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースは高粘度のそれと同様、極めて毒性が低いものと結論される。3) (Obara et al., 1999)

ウサギ
1群6匹のウサギにヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプBの 0, 10又は25%含有食を10日間与えた。高用量群では体重は維持できたが増加は見られなかった。尿及び血液分析、臓器重量及び組織検査には異常なかった。1) (Hodge et al., 1950)

イヌ
1群2匹のイヌに体重1kg当り 0.1, 0.3, 1又は3gのヒドロキシプロピルメチルセルロースを1年間投与したが、体重、臓器重量、尿及び血液検査ならびに組織の顕微鏡所見に異常は見られなかった。別のイヌに体重1kg当り25gを30日間投与しても異常はなかった。更に増量し、体重1kg当り50gを30日間投与したイヌでは軽度の下痢、体重抑制及び赤血球の減少が認められた。1)(Hodge et al., 1950)

1群雌雄各2匹のビーグル犬に低粘度(粘度;10 cP)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの 0, 2又は6%含有食を90日間与えた。死亡率、体重、摂餌量、尿検査、血液学的及び血液化学的検査、臓器重量、組織の肉眼的及び顕微鏡検査に異常は認められなかった。1) (McCollister et al., 1973)

1群雌雄各4匹のビーグル犬に低粘度(粘度;4.22 cP)のヒドロキシプロピルメチルセルロースの 0, 1又は5%含有食を90-91日間与えた。死亡率、体重、摂餌量、尿検査、血液学的及び血液化学的検査、臓器重量、組織の肉眼的及び顕微鏡検査に異常は認められなかった。1) (Schwetz et al., 1973)


遺伝毒性

試験系

濃度

結果

文献

復帰変異

S. typhimurium TA98TA100TA1535TA1537

直接法・代謝活性化法:
156-5000
μg/plate

陰性

SNBL, 2000 4)

染色体異常
in vitro

CHL/IU細胞

直接法・代謝活性化法:50010002000 μg/mL

陰性

SNBL, 2000 4)

小核(in vivo)

CD-1マウス雄

100200400 mg/kg
1
1回,2日間経口投与

陰性

ISNBL, 2000 4)




がん原性
1群雌雄各50匹のラットに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプBの 0, 5又は20%含有食を2年間与えた。最高用量群の雄では体重増加の遅延が認められた。死亡率は60-84%で投与群間に有意な差はなかった。腫瘍の発生頻度は対照群と変わらなかった。1) (Hodge et al., 1950)


生殖発生毒性 (link to DART)



局所刺激性
ウサギの眼の前室又は硝子体にヒドロキシプロピルメチルセルロースを注射し、局所及び全身的な耐容性を調べた。組織病理学的には局所及び全身的な反応にDRSSとの差は見られなかった。4) (Robert et al., 1988)

ウサギを用い、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロース(ステアリルグリシルエーテルで修飾したもの)の皮膚及び眼刺激性試験を行った。3%水性懸濁液を用い、前者の皮膚試験では無傷の又は擦過皮膚に適用して反応性を観察した。いずれの皮膚においても紅斑が観察され、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロースは「緩和な刺激物」に分類された。後者の眼刺激試験では検体適用後に眼を洗浄しない場合には極く軽度の刺激性が認められたが、洗浄した場合には認められなかった。5) (Obara et al., 1992)


その他の毒性
依存性
抗原性
モルモットを用い、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロースの皮膚及び光感作性実験を行った。検体は3%水性懸濁液を用いた。いずれの試験においても皮膚反応は全く観察されなかった。6) (Obara et al., 1998)

その他
ラットを用い、疎水性修飾型のヒドロキシプロピルメチルセルロースについて6ヶ月間の反復投与試験及びその後30日間の回復試験から成る皮膚毒性試験を行った。ヒドロキシプロピルメチルセルロースの水性ペーストを投与可能最大量である60mg/kgを1日1回ラットの皮膚に適用した。一般徴候、尿及び血液分析、眼試験、組織病理試験を行った。1例は投与期間中に造血系の悪性腫瘍のため死亡したが、投与検体に起因するものではなかった。統計的に有意差のある試験項目もあったが、用量反応性はなく偶発的なものと思われた。7) (Obara et al., 1997)


ヒトにおける知見
誤用
その他
25名の若い成人にヒドロキシプロピルメチルセルロース タイプBを0.6-8.9g投与した。数例において軽度の下痢または便秘が見られた。投与した検体の約97%は糞便中に回収された。1) (Knight et al., 1952)

48名のヒト角膜を用いインビトロでヒドロキシプロピルメチルセルロースの適合性を検討した。角膜灌流技術を用いて角膜内皮の機能を顕微鏡下に観察したが、0.5%濃度、3.5時間の灌流で異常は見られなかった。8) (Schimmelpfennig 1988)


引用文献
1) WHO Food Additive Series No.26 Modified cellulose. The 35th meeting of the Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives(JECFA). Wld Hlth Org., Geneva 1990.  (link to WHO DB)
2) Obara S, Muto H, Kokubo H, Ichikawa N, Kawanabe M, Tanaka O. Studies on single-dose toxicity of hydrophobically modified hydroxypropyl mrthylcellulose in rats. J Toxicol Sci 1992; 17: 13-9
3) Obara S, Muto H, Shigeno H, Yoshida A, Nagaya J, Hirata M, Furukawa M, Sunaga M. A three-month repeated oral administration study of a low viscosity grade of hydroxypropyl mrthylcellulose in rats. J Toxicol Sci 1999; 24: 33-43
4) Robert Y, Gloor B, Wachsmuth ED, Herbst M. Evaluation of the tolerance of the intra-ocular injection of hydroxypropyl methylcellulose in animal experiments. Klin Monatsbl Augenheilkd 1988; 192: 337-9
5) Obara S, Muto H, Kokubo H, Ichikawa N, Kawanabe M, Tanaka O. Primary dermal and eye irritability tests of hydrophobically modified hydroxypropyl methylcellulose in rabbits. J Toxicol Sci 1992; 17: 21-9
6) Obara S, Maruyama K, Ichikawa N, Tanaka O, Ohtsuka M, Kawanabe M, Niikura Y, Tennichi M, Suzuki A, Hoshino N, Ohwada K. Skin sensitization and photosensitization studies of hydrophobically modified hydroxypropyl methylcellulose in guinea pigs. J Toxicol Sci 1998; 23: 553-60
7) Obara S, Muto H, Ichikawa N, Tanaka O, Otsuka M, Kawanabe M, Ishii H, Niikura Y, Komatsu M. A repeated-dose dermal toxicity study of hydrophobically modified hydroxypropyl methylcellulose in rats. J Toxicol Sci 1997; 22: 255-80
8) Schimmelpfennig B. In vitro studies of the tolerance of hydroxypropyl methylcellulose(HPMC) with regard to the human corneal endothelium. Klin Monatsbl Augenheilkid 1988; 192: 668-71

食品添加物 (link to 評価書)


   


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