日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 ヒアルロン酸ナトリウム
英文名 Sodium Hyaluronate

CAS 9067-32-7 (link to ChemIDplus),(link to JAN DB), (link to JANe DB)
別名 SPH、SL-1010、SH、NRD101、Na-HA
収載公定書  局方(JP17
用途 湿潤剤,粘稠剤


最大使用量(link to 薬食審
一般外用剤 2.000mg/g、眼科用剤


単回投与毒性 (link to ChemIDplus)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg体重) 文献
マウス 経口 >2400mg/kg(雌雄)
>1200mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
マウス 皮下 >4000mg/kg(雌雄)
>900mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
マウス 腹腔内 >2000mg/kg(雌雄)
≧2000mg/kg(雌雄)
>1500mg/kg(雌雄)
≧1500mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
(長野 他, 1984)2)
ラット 経口 >800mg/kg(雌雄)
>1200mg/kg(雌雄)
>200mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
(森田 他, 1991)3)
ラット 皮下 >4000mg/kg(雌雄)
>600mg/kg(雌雄)
>300mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
(森田 他, 1991)3)
ラット 腹腔内 1770mg/kg(雌雄)
>2000mg/kg(雌雄)
>1500mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
ウサギ 経口 >1000mg/kg(雌雄)
>900mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
ウサギ 皮下 >2000mg/kg(雌雄)
>900mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
ウサギ 腹腔内 >2000mg/kg(雌雄)
1820mg/kg(雌雄)
>1200mg/kg(雌雄)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)1)
(長野 他, 1984)2)
イヌ 皮下 >20mg/kg(雌雄) (森田 他, 1991)3)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
ラットにヒアルロン酸ナトリウムの30,60,120及び240mg/kgを1ヵ月間連続腹腔内投与し、その毒性症状と投与終了から5週間又は9週間の休薬による回復状況を、また240mg/kg群については濃度差の影響も合わせて検討した。

@120mg/kg以上の群では、投与後5日より鎮静、貧血、チアノーゼ、尾端の出血や壊死が散見され、さらに斜頸や旋回運動を呈する例も みられた。死亡例は120mg/kg以上の群で投与後5日より休薬26日にかけて散発的にみられ、1%および2% 240mg/kg群のうち投与終了時の死亡率は1%群のほうが有意に高かった。また、投与後10日頃より両240mg/kg群では検体の残留によると考えられる腹部の膨満と著しい体重増加が認められ、摂餌、摂水量への影響も認められた。

A尿検査においては、60mg/kg以上の群の雄および2% 240mg/kg群の雌でNa+,Cl-などの減少などが認められた。

B血液学的検査においては、雌雄ともにほぼ60mg/kg以上の群で赤血球数、白血球数、ヘモグロビン量およびヘマトクリット値の減少が認められ、240mg/kg群では2%よりも1%の方が強い傾向が みられた。

C血清生化学的検査においては、雄ではGOT、総たん白、アルブミンの減少が、雌ではA/G比の増加、アルカリ性フォスファターゼ、総たん白、アルブミンおよび総コレステロールの減少が投与量に相関して見られ、240mg/kg群では2%群よりも1%群の方に変化が強い傾向がみられた。

D剖検所見においては、死亡例では脳出血、眼底出血、腎の腫大および腹腔内に粘ちょうな残留液が認められた。投与終了時の120mg/kg以上の群では腹腔内に残留液が認められた他、脳出血、眼底出血がごく少数例にみられた。

E臓器重量において、雄では240mg/kg群で、雌では120mg/kg以上の群で種々の臓器の変動が みられた。

F病理組織学的所見において死亡例ではほぼ全臓器の血管拡張、脳出血、ウイルヒョウ・ロビン腔の拡張、網膜出血、肝におけるクッパー星細胞の活性化、骨髄および脾の造血機能の亢進、胸腺のマクロファージによる貧食像が認められた。投与終了時の1% 240mg/kg群でも同様の変化が散見されたが120mg/kgおよび2% 240mg/kg群ではより軽度な変化であった。

G5週間の休薬により、120mg/kg群では腹腔内残留液は消失し、投与終了時にみられた異常所見は回復していた。240mg/kg群では残留液の消失によりさらに長時間を要したが、同様に回復した。

以上の結果よりヒアルロン酸ナトリウムの毒性発現量は60mg/kgと推測された。2%ヒアルロン酸ナトリウム溶液よりも1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液の方がより毒性症状が発現しやすかったが、その発現機序は同様であると考えられた。4) (長野ら, 1985) SD系ラットにヒアルロン酸ナトリウム 3.13, 6.25, 12.5, 25, 50mg/kgを13週間連続経口投与した結果、雄の25mg/kg以上の群で有意な体重増加抑制がみられ、雄の50mg/kg群で有意な摂餌量の低下が認められた。また、雌の25mg/kg以上の群で血清中のNaおよびClの有意な減少が認められた。一般症状、摂水量、尿検査、血液学的、解剖学的、病理組織学的検査に異常は見られなかった。5) (Kato et al., 1993)

ウサギにヒアルロン酸ナトリウム 2,4及び8mg/kgを膝関節腔内に3ヵ月間、1週2回の割合で投与して毒性症状ならびに1ヵ月間の休薬による回復状況を検討した。

@一般観察において、投与ならびに休薬期間中にヒアルロン酸ナトリウム投与によると考えられる異常は認められなかった。

A血液学的検査において、8mg/kg群の雌雄で投与初期から中期にかけて軽微な赤血球の減少が認められたが、その他の項目についてはヒアルロン酸ナトリウム投与によると考えられる異常は認められなかった。

B病理組織学的所見において副腎の束状帯に脂肪顆粒の増加が投与に相関して増加する傾向が認められたが、休薬によって回復した。その他の項目についてはヒアルロン酸ナトリウム投与によると考えられる異常は認められなかった。 6) (古橋ら, 1984)


遺伝毒性 (link to CCRIS)

試験

試験系

濃度

結果

文献

復帰突然変異

S. typhimurium TA92TA94
TA98
TA100TA1535
TA1537
TA2637
E.Coli

直接法及び代謝活性化法:
31.25-1000
μg/plate

陰性

杉山、谷亀, 1991 7)

復帰突然変異

S. typhimurium TA98TA100TA1535TA1537
E. Coli WP 2uvrA

直接法及び代謝活性化法:
31.25-1000
μg/plate

陰性

大西ら, 1992 8)

復帰突然変異

S. typhimurium TA98TA100TA1535TA1537
E. Coli WP 2uvrA

直接法及び代謝活性化法:
31.25-5000
μg/plate

陰性

有賀ら, 1994 9)

染色体異常(in vitro

チャイニーズハムスター
線維芽細胞株(CHL/IU)

250-1000 μg/mL

陰性

大西ら, 1992 8)

染色体異常(in vitro

チャイニーズハムスター
線維芽細胞株(CHL/IU)

62.5-1000 μg/mL

陰性

有賀ら, 1994 9)

染色体異常(in vitro

チャイニーズハムスター
線維芽細胞株(CHL/IU)

1250-5000 μg/mL

陰性

鈴木ら, 1995 10)

小核(in vivo

ICRマウス

75-300 mg/kg

陰性

有賀ら, 1992 11)

小核(in vivo

ICRマウス

90-360 mg/kg

陰性

有賀ら, 1994 9)




がん原性
該当文献なし


生殖発生毒性 (link to DART)
Sprague-Dawley系ラットにヒアルロン酸ナトリウム 0,7,20,60 mg/kgを 雄では6週齡から15週齡までの9週間(交配前,交配期間中),雌では妊娠7日までの9週齡から10週齡の14日間皮下投与し た。高用量群では,体重増加が雌雄ともに目立った。交尾及び生殖能には投与群と対照群で差がみられなかった。黄体数,着床数 、生殖能力に対する影響を検討した。

@ヒアルロン酸ナトリウムの60mg/kg群の雌雄で投与期間中、検体の残量による体重の増加が認められた。

A交尾率および妊娠率については、対照群とヒアルロン酸ナトリウム各群との間に有意な差は認められなかった。

B妊娠ラットの黄体数、着床数、死胚率、胎仔の性比、外形異常、体重、体長ならびに尾長などからは、胚および胎仔発育に対するヒアルロン酸ナトリウムの影響は認められなかった。 以上の結果からヒアルロン酸ナトリウムの最大投与量60mg/kgは雌雄ラットの生殖能力、胚および胎仔に対し影響しないと考えられた。12) (古橋ら, 1985)

Crj: CDラットを用い、ヒアルロン酸ナトリウムの0,5,15および50mg/kgを雄には交配前60日間、交配期間および交尾成立後剖検前日まで、雌には交配前2週間、交配期間および交尾成立後妊娠7日まで皮下投与し、生殖能力および胎児に及ぼす影響について検討した結果、本試験条件下ではヒアルロン酸ナトリウムの母動物(F0)および胎児(F1)に対する無影響量はともに50mg/kgと判断された。エラー! 参照元が見つかりません。13) (田中ら, 1991)

ヒアルロン酸ナトリウムの8,20および50mg/kg/dayをCrj:CD(SD)ラット雌雄の交配前と交配期間中および妊娠初期に皮下投与し、雌雄の生殖能力と胎児に及ぼす影響について検討した結果、親動物、胎児に対して何ら影響を与えなかった。したがって、親動物、生殖能力および胎児に対する無影響量は50mg/kg/dayと考えられる。14) (小野ら, 1992)

ヒアルロン酸ナトリウムの1,2および4ml/kg/day(10,20および40mg ヒアルロン酸ナトリウム(Na-HA)/kg/日)を雌雄ラットの交配前と交配期間中および雌ラットの妊娠初期に皮下投与し、親動物および胎児に及ぼす影響を検討した。結果、親動物に対しては、2mL/kg(20mg Na-HA/kg)群の雄動物および4mL/kg(40mg Na-HA/kg)群の雌動物で、投与部位に未吸収の被験物質様物質の貯留がみられたが、性周期、交尾、授(受)胎、排卵ならびに着床などにヒアルロン酸ナトリウムの影響は認められなかった。一方、胎児に対しては、胚・胎児の生存性および発育状態にヒアルロン酸ナトリウムの影響は見られず、胎児の外表、内部および骨格に対する影響も認められなかった。以上の結果より、本試験におけるヒアルロン酸ナトリウムの無影響量は親動物の一般毒性、生殖能力および胚・胎児に対して4mL/kg/day(40mg Na-HA/kg/day)と考えられた。 15) (服部ら, 1995)

ラットにおける器官形成期にヒアルロン酸ナトリウムの7,20および60mg/kgを連続皮下投与し、胎仔ならびに新生仔に対する影響を検討した。

@妊娠母動物に関しては、ヒアルロン酸ナトリウムの60mg/kg群で投与初期に摂餌量に軽度の減少が認められた以外には、ヒアルロン酸ナトリウムの影響は認められなかった。

A外形異常、内部臓器および骨格異常、体長、尾長、体重において、ヒアルロン酸ナトリウム投与による胎仔への影響は全く認められなかった。

BF1の出生率、生存率、哺育率、生後分化、内部臓器検査、臓器重量、骨格検査、機能試験、行動および学習試験ならびに生殖能力においてヒアルロン酸ナトリウムの影響は認められなかった。

以上の結果から、ヒアルロン酸ナトリウムの最大投与量60mg/kgを器官形成期のラットに投与しても胎仔および新生仔には影響がないことがわかった。 16) (古橋ら, 1985)

ヒアルロン酸ナトリウムの0,5,15および50mg/kgをCrj:CDラットの器官形成期(妊娠7〜17日)の連日皮下投与し、母動物(F0)、胎児 (F1)および出生児(F1)に及ぼす影響を検討した結果、本試験条件下ではヒアルロン酸ナトリウムの母動物(F0)、胎児(F1)および出生児(F1) に対する無影響量はいずれも50mg/kgと判断された。17) (田中ら, 1991)

ヒアルロン酸ナトリウムの8,20および50mg/kg/dayをCrj:CD(SD)ラットの胎児器官形成期(妊娠7日から17日)に皮下投与し、母動物、胎児ならびに出生児に及ぼす影響について検討した結果、母動物、胎児ならびに出生児に対して何ら影響を与えなかった。したがって、母動物、胎児ならびに出生児に対する無影響量は50mg/kg/dayと考えられた。18) (小野ら, 1992)

ヒアルロン酸ナトリウムの16,32,64mg/kgをラットの器官形成期に腹腔内投与し、母体、胎児および出生児に及ぼす影響を検討した。結果、本試験におけるヒアルロン酸ナトリウムの無影響量は親動物に対して64mg/kg以上、その胎児に対しては64mg/kg以上、出生児の発育に対しては 64mg/kg以上と推定された。 19) (松浦ら, 1994)

ヒアルロン酸ナトリウムの1,2および4mL/kg/day(10,20および40mg ヒアルロン酸ナトリウム(Na-HA)/kg/day)をラット器官形成期に皮下投与し、母動物、胎児および出産児に及ぼす影響を検討した結果、母動物においては各群に中毒症状および死亡は観察されず、体重推移、摂餌量、妊娠、出産、哺育状態への影響も認められなかった。一方、胎児および出産児においては、胚・胎児致死作用、胎児および出生児に対する発育抑制ならびに催奇形性作用はみられず、出生児の生存能、機能、行動・学習能および生殖能などにもヒアルロン酸ナトリウム投与の影響は認められなかった。以上の結果より、本試験における1%ヒアルロン酸ナトリウム溶液の、母動物の一般毒性、母動物の生殖能、胎児および出産児に対する無影響量は4mL/kg/day(40mg Na-HA/kg/日)と考えられた。 20) (久間田ら, 1995


ラットの周産期および授乳期にヒアルロン酸ナトリウムの7,20および60mg/kgを連続皮下投与して、次世代に対する影響を検討した。

@母動物ではヒアルロン酸ナトリウムの60mg/kg群でヒアルロン酸ナトリウムの残留によると考えられる体重の有意な増加が認められた。

A哺育母動物ではヒアルロン酸ナトリウム各群で副腎網状帯細胞に結節性増殖が散在して認められた。

B新生仔(F1)については出生時より10週齢までの体重変動、生後分化状態、骨格検査、剖検および臓器重量にはヒアルロン酸ナトリウムの影響は認められなかった。また機能試験、行動試験、学習能力試験および生殖能力試験においてもヒアルロン酸ナトリウム投与による影響は認められなかった。

以上の結果からヒアルロン酸ナトリウムの最大投与量60mg/kgを周産期および授乳期に投与しても新生仔への影響はないことがわかった。 21) (古橋ら, 1985)

Crj:CDラットを用い、ヒアルロン酸ナトリウムの0(生理食塩液),5,15および50mg/kgを母動物の妊娠17日から分娩後21日まで連日、皮下投与して母動物および出生児に対する影響を検討した結果、本試験条件下では、ヒアルロン酸ナトリウムの母動物および出生児に対する無影響量は、ともに 50mg/kgと推定された。22) (太田ら, 1991)

ヒアルロン酸ナトリウムの8,20および50mg/kg/dayをCrj:CD(SD)ラットの周産期および授乳期に皮下投与し、母動物と出生児に対する影響について検討した結果、母動物および出生児に対して何ら影響を与えなかった。したがって、母動物、胎児ならびに出生児に対する無影響量は 50mg/kg/dayと考えられた。 23) (小野ら, 1992)

ヒアルロン酸ナトリウムの16,32,64mg/kgをラットの周産期および授乳期に腹腔内投与し、母体および出生児に及ぼす影響を検討した結果、本試験におけるヒアルロン酸ナトリウムの無影響量は親動物に対して64mg/kg以上、および出生児に対して64mg/kg以上と推定された。 24) (松浦ら, 1994)

妊娠ウサギの器官形成期にヒアルロン酸ナトリウムの7,20および60mg/kgを腹腔内に投与し、妊娠母動物ならびにその胎仔についての影響を検討した。

@妊娠母動物においては、一般症状や妊娠末期の剖検所見においてヒアルロン酸ナトリウムの影響と思われる変動は見られなかった。

Aヒアルロン酸ナトリウムの60mg/kg群で死胚率の増加が認められたが、ヒアルロン酸ナトリウムが腹腔内に長期間残留することによるなんらかの物理的要因が影響するものと考えられた。

Bヒアルロン酸ナトリウム各群の生存胎仔では体長、尾長、体重、外形異常、臓器肉眼所見、骨格異常、骨格変異などの対照群との間に有意な差は認められなかった。

以上の結果から、ヒアルロン酸ナトリウムのウサギ器官形成期における腹腔内投与による最大無作用量は20mg/kgと考えられた。25) (古橋、中澤, 1985)

ヒアルロン酸ナトリウムの0(生理食塩液)、5、15および50mg/kgをウサギの妊娠6日から18日に皮下投与して母動物および胚・胎児に対する影響を検討した結果、本試験条件下ではヒアルロン酸ナトリウムの母動物および胚・胎児に対する無影響量はともに50mg/kgと推定された。 26) (和田ら, 1991)

ヒアルロン酸ナトリウムの8,20および50mg/kg/dayをNew Zealand White系ウサギの器官形成期に皮下投与し、母動物と胎児に対する影響について検討した結果、母動物および胎児に対して何ら影響を与えなかった。したがって、母動物ならびに胎児(F1)に対する無影響量は50mg/kg/dayと考えられた。27) (舘田ら, 1992)

ヒアルロン酸ナトリウムの10,20,40mg/kgをウサギの器官形成期に皮下投与し、母体および胎児に及ぼす影響を検討した。結果、本試験におけるヒアルロン酸ナトリウムの無影響量は親動物に対して40mg/kg以上、その胎児に対しては40mg/kg以上と推定された。28) (松浦 ら, 1994)


局所刺激性
該当文献なし


その他の毒性
該当文献なし


ヒトにおける知見
注射液の副作用報告について、総症例9,574例中副作用が報告されたのは、50例(0.52%)73件であった。また、臨床検査値には一定の変動は認められなかった。変形性膝関節症については、7,845例中にみられる副作用45例(0.57%)68件の主なものは、局所疼痛37件(0.47%)、腫脹14件(0.18%)、関節水腫3件(0.04%)であった。肩関節周囲炎については、1,729例中にみられた副作用5例(0.29%)、5件の主なものは局所疼痛4件(0.23%)であった。 (日本医薬情報センター, 2000)

注入液の副作用報告について、(0.4,0.85mL)ヒアルロン酸ナトリウム製剤の調査症例数17,653例中、副作用発現症例は443例(2.5%)であり、副作用発現件数は延べ469件であった。その主なものは、眼圧上昇377件(2.1%)、眼内レンズ表面の混濁39件(0.2%)、炎症反応12件(0.07%)、角膜浮腫12件(0.07%)等であった。(0.6mL)ヒアルロン酸ナトリウム製剤の調査症例数12,230例中、副作用発現症例は346例(2.8%)であり、副作用発現件数は延べ366件であった。その主なものは、眼圧上昇294件(2.4%)、眼内レンズ表面の混濁37件(0.3%)、炎症反応11件(0.09%)等であった。 (日本医薬情報センター, 2000)

点眼液の副作用報告について、承認時までの調査および使用成績調査の総症例4,208例中、副作用が認められたのは74例(1.76%)であった。主な副作用は眼瞼掻痒感19件(0.45%)、眼刺激感15件(0.36%)、結膜充血10件(0.24%)、眼瞼炎7件(0.17%)等であった。 (日本医薬情報センター, 2000)


引用文献
1) 長野聖、後藤幸子、岡部良治、山口敏二郎 Sodium Hyaluronate(SPH)の急性毒性試験 薬理と治療 1984(12) 12 37-45

2) 長野聖、後藤幸子、岡部良治、佐野章子、山口敏二郎 Sodium Hyaluronate(SPH)のマウス、ラットおよびウサギにおける急性毒性試験 応用薬理1984(28) 6 1013-1019

3) 森田晴夫、河上善之、下村和裕、須永昌男 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)のラットおよびイヌにおける急性毒性試験 薬理と治療 1991(19) supplement 13-18

4) 長野聖、後藤幸子、鈴木啓太郎、岡部良治、山口敏二郎 ヒアルロン酸ナトリウム(SPH)のラットにおける1ヶ月間連続腹腔内投与による亜急性毒性試験および回復試験 薬理と治療 1985(13) 5 233-260

5) Tadahiko Kato, Shin-ichi Nakajima, Akira Asari, Tomoko Sekiguchi, Atsuko Sunose, Toyomi Takahashi, Satoshi Miyauchi and Kiyochika Tokuyasu Preliminary Study for the Toxicity Study on Sodium Hyaluronate(Na-HA) in Rats by Repeated Oral Administration for 13 Weeks. 基礎と臨床 1993 27(15) 5809-5830

6) 古橋忠和、三好幸二、妹尾直樹、仲澤政雄 Sodium Hyaluronate(SPH)のウサギにおける3ヵ月膝関節腔内投与による亜急性毒性試験および回復試験(1)全身所見 応用薬理1984(28) 6 1041-1057

7) 杉山千代美、谷亀治 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)の変異原性試験(第1報)-細菌を用いる復帰変異試験- 薬理と治療 1991(19) supplement 177-181

8) 大西端男、永田貴久、西郷和彦、鮫島秀暢、永田良一 ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の変異原性試験 薬理と治療 1992(20)No.3 65-72

9) 有賀文彦、三輪芳久、藤村高志、太田志のぶ ヒアルロン酸ナトリウム(SH)のマウスを用いる小核試験 薬理と治療 1992(20)No.3 73-75

10) 有賀文彦、永澤佳子、三輪芳久、田中りか、杉山浩子、太田志のぶ 高分子ヒアルロン酸ナトリウム(NRD101)の変異原性試験 薬理と治療 1994(22) supplement 235-244

11) 鈴木音哉、石村勝正、高橋響、宮内聡 Sodium hyaluronateの培養細胞を用いる染色体異常試験 応用薬理1995 50(1)73-77

12) 古橋忠和、上原正巳、本多伴子、仲吉洋 Sodium Hyaluronate(SPH)の生殖試験(第1報)ラットにおける妊娠前および妊娠初期投与試験 応用薬理1985(29) 1 95-109

13) 田中千晶、佐々斎、平間伸一、稲葉智之、徳永佐和子、永露博昭、倉本正人 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)の生殖・発生毒性試験(第1報)-ラットにおける妊娠前および妊娠初期投与試験- 薬理と治療 1991(19) supplement 81-92

14) 小野千鶴子、藤原幸雄、小浦生子、土田宏美、中村享 ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の生殖・発生毒性試験(U)−ラットにおける皮下投与時の妊娠前および妊娠初期投与試験‐ 薬理と治療 1992(20) No.3 27-35

15) 服部充晴、井上重美、小椋英博、片野拓、磯和弘一、駒井義生、高橋響、宮内聡 1%Sodium hyaluronate溶液(SI-4402)の生殖・発生毒性試験 1.ラットにおける妊娠前および妊娠初期皮下投与試験 応用薬理 1995 50(2)93-103

16) 古橋忠和、仲吉洋 Sodium Hyaluronate(SPH)の生殖試験(第2報)ラットにおける器官形成期投与試験 応用薬理1985(29) 1 111-129

17) 田中千晶、佐々斎、平間伸一、稲葉智之、徳永佐和子、永露博昭、倉本正人 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)の生殖・発生毒性試験(第2報)-ラットにおける胎児器官形成期投与試験- 薬理と治療 1991(19) supplement 93-110

18) 小野千鶴子、岩間秋人、中島由紀子、木津谷昭文、中村享 ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の生殖・発生毒性試験(T)−ラットにおける皮下投与時の胎児の器官形成期投与試験‐ 薬理と治療 1992(20) No.3 11-26

19) 松浦哲郎、中島裕夫、前田博、尾崎清和、栗尾和佐子、上地俊徳、平松保造、小川保直 高分子ヒアルロン酸ナトリウム(NRD101)のラットにおける周産期および授乳期投与試験 薬理と治療 1994(22) supplement 215-233

20) 久間田淳一、西脇一重、入山浩二、日比野英樹、磯和弘一、駒井義生、高橋響、宮内聡 1% Sodium Hyaluronate溶液(SI-4402)の生殖・発生毒性試験 2.ラットにおける器官形成期皮下投与試験 応用薬理1995 50(2)105-122

21) 古橋忠和、武井あき子、仲吉洋 Sodium Hyaluronate(SPH)の生殖試験(第4報)ラットにおける周産期および授乳期投与試験 応用薬理1985(29) 1 139-153

22) 太田亮、橋本豊、松本亜紀、水谷正寛、田中千晶 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)の生殖・発生毒性試験(第4報)−ラットにおける周産期および授乳期投与試験‐ 薬理と治療 1991(19) supplement 121-135

23) 小野千鶴子、石飛はるえ、葛岡勝則、小長井里織、中村享 ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の生殖・発生毒性試験(V)−ラットにおける皮下投与時の周産期および授乳期投与試験‐ 薬理と治療 1992(20) No.3 37-50

24) 松浦哲郎、中島裕夫、前田博、尾崎清和、栗尾和佐子、上地俊徳、平松保造、小川保直 高分子ヒアルロン酸ナトリウム(NRD101)のラットにおける器官形成期投与試験 薬理と治療 1994(22) supplement 185-203

25) 古橋忠和、仲澤政雄 Sodium Hyaluronate(SPH)の生殖試験(第3報)ウサギにおける器官形成期投与試験 応用薬理1985(29) 1 131-138

26) 和田和義、橋本豊、水谷正寛、田中千晶 ヒアルロン酸ナトリウム(SL-1010)の生殖・発生毒性試験(第3報)-ウサギにおける胎児器官形成期試験- 薬理と治療 1991(19) supplement 111-119

27) 舘田智明、永岡茂樹、永井俊彦、中村享 ヒアルロン酸ナトリウム(SH)の生殖・発生毒性試験(W)−ウサギにおける皮下投与時の器官形成期投与試験‐ 薬理と治療 1992(20) No.3 51-58

28) 松浦哲郎、中島裕夫、前田博、尾崎清和、栗尾和佐子、上地俊徳、平松保造、小川保直、石原浪砂、三好照三 高分子ヒアルロン酸ナトリウム(NRD101)のウサギにおける器官形成期投与試験 薬理と治療 1994(22) supplement 205-213

29) 日本医薬情報センター編(薬業時報社) 医療薬日本医薬品集 2000 第23版 1467-1469




   


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