日本医薬品添加剤協会
Safety Data
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和名 亜硝酸ナトリウム
英文名 Sodium Nitrite

CAS 7632-00-0  (link to TOXNET DB)
別名 
食品添加物名:
亜硝酸ナトリウム
収載公定書  食添(7) EU(E 250) CFR(Prior Sanction:181.34) 
用途 抗酸化剤

最大使用量


JECFAの評価 (link to JECFA)
ADI 0-0.07 mg/kg bw/日(亜硝酸イオンとして) (2002年、第59回) (ADIには、自然界から由来するすべての亜硝酸イオンを含む。 但し、3ヶ月以下の乳幼児を除く。)
亜硝酸ナトリウムは、1961年に開かれたJECFAで評価され、ADI 0-0.4mg/kg bw (亜硝酸ナトリウムとして)(条件付ADI:0.4−0.8)が設定された。 
その後、第17回JECFA(1973年)において、ADI 0-0.2mg/kg bw(暫定、亜硝酸ナトリウムとして)に引き下げられ、第20回(1976)年には「6ヶ月以下の乳幼児用食品へは使用すべきではない。」という条件が付された。
1995年、第44回で再評価され、ADI 0-0.06 mg/kg bw(亜硝酸イオンとして、自然界から由来するすべての亜硝酸塩を含む。)とされ、更に「3ヶ月以下の乳幼児食には使用すべきでない。」と変更された.1)
その後、2002年第59回において硝酸塩、亜硝酸塩について再評価され、ADI 0-0.07 mg/kg bw/日に変更された。2)
無作用量(NOEL): ラット(100ml/L、飲料水で投与、10mg/kg bw/dayに相当)2)



単回投与毒性1) (link to TOXNET DB)

動物種

投与経路

LD50

文献

ラット

 経口

85 mg/kg bw

Lehman, 1958

マウス

 経口

175-220 mg/kg bw

Greenberg, 1945; Lehman,1958


これらのげっ歯類における急性症状として、血管拡張、血圧低下、肝臓中のビタ ミンA濃度の低下、甲状腺機能障害が認められた。

ラット1)
単回投与した場合と同量の亜硝酸ナトリウムを数回に分け投与した場合の影響について、雌ラットを用いて比較した。 メトヘモグロビン血症を指標とし、亜硝酸ナトリウム160 mg/kg bw 又は320 mg/kg bw を少量に分け(15分毎に3回、続いて30分毎に4回)投与した結果、40 mg/kg又は80 mg/kg bwをそれぞれ単回投与した場合に比較し、毒性の発現は低かった(De Vries, 1938)

同様の実験で、亜硝酸ナトリウム100 mg/kg bwをラットに投与し、2時間後に同量を再投与したところ、高い死亡率を示したが、4時間後に同量投与した場合はすべての動物が生存していた。 ラットにおけるメトヘモグロビンの半減期は90分と報告されており、この毒性発現結果の差異は、メトヘモグロビンの体内半減期に起因するもと推測される (Shuval & Gruener, 1972)

1群18-24匹からなる生後45-55日齢のLong-Evans Hooded雄ラットに0、50、75、100 mg/kg bw の亜硝酸ナトリウムを投与し、行動、血液学的検査、脳の病理組織学的検査を行った。行動変化については、亜硝酸ナトリウムを75 mg/kgの割合で投与した後、25分後に観察し、脳の病理組織学的検査については投与24時間後に検査した。
検査前に10分間動物を水に浸漬すると、重篤な運動失調を生じたが、検査前10分に、脚に軽度のショックを与えた場合は発現しなかった。
亜硝酸塩投与によるメトヘモグロビンの変化は認められなかった。 虚血における変化と同様に、海馬形成細胞の延命作用が示唆された。(Isaacson & Fahey, 1987)1)

イヌ1)
イヌに亜硝酸ナトリウム1-2g/kgをソーセージと共に投与したところ、投与後1-2時間内に、呼吸数及び心拍数が増加し、ECGも変化、メトヘモグロビン血症も認められ、血清中のナトリウムが増加しカリウムが減少、ASAT活性も上昇した (Isaacson & Fahey, 1987)



反復投与毒性 (link to TOXLINE)
マウス
1群5匹のマウスからなる生後6又は55週齢のマウスに、亜硝酸ナトリウム0、110 mg/kg bwを7日間強制経口投与した。 亜硝酸ナトリウム投与群では強制走行距離の減少、ECG(心電図)の異常、限外顕微鏡下で心筋の変化が観察された(Kinoshita et al., 1985)1)

亜硝酸ナトリウム、0、100,1000,1500又は2000 mg/Lを飲料水に添加(0、10、 100、150又は200 mg/kg bw/日に相当する。)し2週間投与した結果、マウスの自発運動量が低下した(Gruener & Shuval, 1971)1)

1群10匹の雄マウスからなる5群に、0、100、1000、1500又は2000 mg/L の亜硝酸ナトリウを含む飲料水(0、10、100、150又は200 mg/kg bw/日に相当する。)を投与した。
亜硝酸ナトリウム投与群の自発運動量は低下したが、特に最高投与群でその影響が大きかった。 メトヘモグロビン血症も同様に観察された。 実験者によると、投与群の鎮静効果はメトヘモグロビン血症に起因するものとは思われないとしている(Behroozi et al., 1971)1)

1群雌雄10匹のB6C3F1マウスに亜硝酸ナトリウムを0、375、750,1500、3000又は5000 mg/L含有する飲料水を14週間投与した。
この量は1日平均雄では90、190、340、750、990 mg./kg bw、雌では120、240、440、840 mg./kg bwに相当する。 投与後13週で、亜硝酸ナトリウム最高投与群の雄ラットでは、対照群に比較し有意に体重増加率が減少した。
対照群と比較して、雄マウスの脾臓の相対重量、雌マウスの心臓、腎臓、肝臓及び脾臓の相対及び絶対重量の増加がみられた。 最高投与群の雄では精子運動能力が低下し、3高投与群の雌ラットでは対照群に比較し発情周期が有意に延長した。 2高投与群の雌雄のマウスでは前胃に扁平上皮過形成が認められ、2高投与群の雄マウス及び3高投与群の雌マウスにおいては脾臓の髄外造血が観察された。 又、2高投与群の雄マウスでは精巣に変性も認められた。無作用量は190mg/kgであった。(National Toxicology Program, 2001)2)

ラット
1群雌雄10匹からなるラットに、亜硝酸ナトリウム0、0.06、0.125、0.25、0.5又は1%濃度含有する飲料水を6週間与えた。これらの濃度は、亜硝酸ナトリウムとして0、60、125、250、500又は1000 mg/kg bw/日に相当する。1000 mg/kg bw/日投与群では中等度の体重増加の抑制が認められた。
剖検の結果、高投与量の2群で血液、脾臓にメトヘモグロビン血症による著明な色調の変化(褐色化)が認められた。 飲料水で投与する場合の最大耐量は0.25%であった(Maekawa et al., 1982)1)

1群雄ラット8匹からなる4群に、亜硝酸ナトリウム0、100、300、2000 mg/L含有する飲料水を2ヶ月間与えた。これらの濃度は、亜硝酸ナトリウムとして0、10、30又は200mg/kg bw/日に相当する。最高投与群においてEEGの異常が認められたが、その他の投与群ではみられなかった。 (Shuval & Gruener, 1972)1)

1群8匹の生後1ヶ月齢の雄ラットからなる2群に、亜硝酸ナトリウムを0又は200mg/Lを含む飲料水を16週間投与した。(亜硝酸ナトリウムとして0又は20mg/kg bw/日に相当する。) メトヘモグロビン濃度は対照群で0-1.2%であったのに対し、亜硝酸ナトリウム投与群では0.5-3.1%であった。 同時に、亜硝酸ナトリウム投与群では肺病変が高頻度に認められた。
同様の実験で、2ヶ月齢のラット(亜硝酸ナトリウム投与群12匹、対照群9匹)に、亜硝酸ナトリウムを飲料水に0、2000 mg/L添加し、14ヶ月間投与した。
メトヘモグロビン濃度は対照群が0-1%であったのに対し、亜硝酸ナトリウム投与群では1-35%とばらついていた。亜硝酸塩を摂取した動物は体重及び肝重量も小さく、血清ビタミンE濃度も減少し、グルタチオン濃度の低い赤血球も増加し、すべての動物で重症な肺病変が認められた (Chow et al., 1980)1)

1群雌雄各10匹のラットに、亜硝酸ナトリウム0、380、750、1500、3000 又は5000mg/Lを含む飲料水を14週間投与した。 この量は雄ラットでは30、55、120、200、310 mg/kg bw/日、雌ラットでは40、80、130、220及び340 mg/kg bw/日に相当する。更に、1群雌雄15匹のラットを追加し、同濃度を含有する飲料水を70-71日間投与した。 220 mg/kg bw/日を投与した群の雌1匹が試験終了前に死亡した。 310 mg/kg bw/日を投与した雄ラットは対照群に比較し明らかに体重が少なかった。又、310 mg/kg bw/日投与群の雄及び2高投与群の雌ラットにおいては、対照群に比較し2、14週に摂水量の低下がみられた。 一般状態の変化として、雄で亜硝酸ナトリウムを200、310 mg/kg bw/日投与した群、雌では3高投与群の目の褐色化、口、舌、耳、足にチアノーゼが観察された。 網赤血球数は雌雄とも2高投与群で増加した。 エリトロンは雌雄最高投与群で、投与後19日目に低減したが、14週までに再び増加した。 全ての投与群でメトヘモグロビン量は増加し、総ヘモグロビン量に対する割合は雄の対照群で0.002%、200mg/kg bw/日投与群の雄で4.4%、310 mg/kg bw/日投与群の雄で17%、雌の対照群で0.37%、220 mg/kg bw/日投与群で5.8%、340 mg/kg bw/日投与群で11%であった。
実験者はこれらの影響に対するNOELを算定できなかったと報告している。 2高投与群の雌雄における腎臓おいて網赤血球数増加がみられ、赤血球生成能の亢進が示唆された。 最高投与群の雌雄ラットでは前胃の扁平上皮細胞の過形成が有意に認められた。 メトヘモグロビンが3%以下の場合は悪影響及ぼすものではないと判断し120 mg/kg bw/日投与群の精子運動能の低下を基にNOEL55 mg/kg bw/日とした(National Toxicology Program, 20012)

1群8匹の雄ラットに、亜硝酸ナトリウムを0、100、1000、2000又は3000 mg/Lを含む飲料水を2年間投与した。 成長、発育、死亡率、総ヘモグロビン量については亜硝酸ナトリウム投与群と対照群の間に有意な差異は見られなかった。 
しかし、亜硝酸ナトリウムを1000、2000又は3000 mg/L摂取した群では総メトヘモグロビン量は試験中有意に高く、対照群に比較し、それぞれ5%、12%、22%高かった。 主要な病理組織学的変化は最高投与群において肺、心臓にみられ、心筋に小さな変性と線維化が観察された。 冠動脈は、通常この年齢でみられるような厚く狭くなる代わりに、薄く拡張していた。 肺における変化はリンパ球が浸潤した気管支拡張、肺胞の極度の膨張が認められ、亜硝酸ナトリウムを1000、2000又は3000 mg/L摂取した群でこのような現象が認められた。
この試験におけるNOELは亜硝酸ナトリウムとして100 mg/Lであり、10 mg/kg bw /日に相当し、亜硝酸イオンとして6.7mg /kg bw /日となる(Shuval & Gruener, 1972)1)

ウサギ1)
ラットで見られた副腎皮質球状帯の変化を裏つける現象として、亜硝酸ナトリウム10 mg/kg bw/日を非経口投与により18日間投与し、尿中ステロイドの排泄の変化をみた(Violante at al., 1973)結果、時間の経過と共に、尿中の17-ヒドロキシー、17-ケトー、17-ケトンの形をしたステロイド類の排泄量が減少した。 NaNO2 20 mg/kg bw/日を14日間投与した場合でも17-ヒドロキシー及び17-ケトステロイドの排泄量が減少した。



遺伝毒性  (link to CCRIS)
亜硝酸ナトリウムはSalmonella typhimuriumによるAmesテストで、復帰突然変異性を示したが、市販のSOS-chromotestでは他の変異原性物質と同様陰性で あった (Brams et al., 1987) 。
しかし、Nakamuraらによると、SOS-chromotest   を用いたテストでは弱い遺伝毒性を示した(1987)1)

マウス細胞によるテストで、亜硝酸ナトリウムは代謝活性
化系非存在下ではsingle strand breaksの増加を認めなかったが、比較的高濃度では投与量に比例し遺伝子突然変異、染色体異常がそれぞれ増加した。 この変異原性はおそらくDNAの脱アミノ化によるもので、ニトロ素アミンの生成に起因するものではないと推定される (Kodama et al., 1976) 1)

V79ハムスター細胞に亜硝酸ナトリウムを約pH5の酸性下で投与すると、6-TG mutantの増加が認められた(Budayoba, 1985)1)
ハムスター培養細胞による試験では明らかに染色体異常が増加した(Tuda et al., 1976)。 End-duplicationも同様に報告されている。(Tuda & Kato, 1977)
亜硝酸ナトリウムは人胚肺組織から得た異常細胞を急激に誘導した (Stanford Research Institute, 1972-報告書なし) 。 マウスリンパ腫 L5178Yによる thymidine kinase locus assayでは、亜硝酸ナトリウムは0.02-1mmol/L濃度で陽性であり、既知の変異原物質、発がん物質に比較し弱い変異原性を示す (Wangenheim & Bolcsfoldi, 1988) 1)

Syrianハムスターの妊娠11又は12日目に、亜硝酸ナトリウムを経口投与した。 ハムスター胚細胞の培養細胞で薬剤抵抗性を示す変異(8-AG、オウバイン)が増加した。 同時に、用量依存性の小核形成の増加が認められたが、染色体異常発現細胞の増加は認められなかった.(Inui et al., 1979)1)

In vitroで、亜硝酸ナトリウム添加によるハムスター細胞の形態の変異が報告されている(Tsuda et al., 1973)。 In vitroでは胚細胞の変異が生じるが、in-vivoでこの変異した細胞を移植すると、腫瘍細胞へ変化した(Inui et al., 1979)1)

ショウジョウバエ翅毛スポットテスト(wing spot test)で、Graf et al. (1989)は翅体細胞に大小のシングルスポットの出現頻度の変化による突然変異性を観察した。
 E. coli K 12 uvr B/rec A DNA repairを用いた宿主経由試験、及びマウス小核試験の2種のin vivo テストで変異原性は認められなかった(Couchhell & Friedman, 1975; Hayashi et al., 1981, 1988; Hellmer & Bolcsfoldi, 1992)1)。 しかしながら、約210 mg /kg bwになるように亜硝酸ナトリウムを飲料水に溶かし、妊娠ラットの妊娠5-18日及び非妊娠ラットにそれぞれ投与したところ、両群共骨髄細胞に染色体異常を誘発し、同様に胎児の肝細胞にも染色体異常が認められた。 
対照群及び被験物質投与群において、この分裂中期(metaphase)の染色体異常を有する細胞数の割合は成熟ラットの骨髄に比較し、胎児の肝細胞の方が高かった(El Nahas et al., 1984; Luca et al., 1987)1)

Zimmermann(1977)によると、亜硝酸塩は次の三段階によって突然変異を誘発するとしている。
(1) DNA鎖中のDNA塩基から脱アミノする。 しかしながら、脱アミノはしばしば自然発生的に生じ、これらの損傷に対するDNA修復システムはバクテリアに存在することが知られており、おそらく哺乳類の細胞にも存在すると考えられている。
(2) DNA鎖のプリン残基同士のクロスリンクの形成が2重鎖DNAの場合にヘリクスの歪が生じる。 このタイプの損傷の誘発はDNAの近くにポリアミン、グリコール、アルコール、フェノール等の分子が存在する場合に増強される(Thomas et al., 1979)。
(3) 亜硝酸塩はニトロ化され易い物質と反応し、Nーニトロソ化合物をつくり、間接的に変異原性をあらわす。1)

Alavantic et al.(1988)は、雄マウスの
生殖細胞を用いて、in vivo テストで亜硝酸塩及び硝酸塩の影響を調査した。亜硝酸ナトリウム60もしくは120 mg/kg bw/日を17日間投与後、UDS(処理後17日)及び精子細胞における精子形態異常(処理後11日又は17日)を調査した。 硝酸塩は600又は1200 mg/kg bw/日を3日間投与した。この結果、亜硝酸塩(硝酸塩も)はUDS反応を誘発しなかった。 精子頭部形態異常試験において亜硝酸ナトリウム120 mg/kg bw/日を投与した群では投与11及び17日の検査で陽性が認められた。1)

亜硝酸ナトリウムはSalmonella typhimuriumTA100に対して、Aroclor 1254で誘導したハムスター及びラットの肝臓酵素による代謝活性化の有無に係わらず、変異原性を示したが、TA98に対しては陰性であった。 雄ラット及びマウスに亜硝酸ナトリウムを腹腔内投与し小核試験を行ったが、骨髄の小核形成は認められず、マウスの末梢血液を用いた14週にわたる小核試験でも陰性の結果が得られている(National Toxicology Program, 2001)。2)



がん原性  (link to CCRIS)
マウス
1群雌雄50匹のマウスからなる4群に、亜硝酸ナトリウムをそれぞれ0、1000、 2500又は5000 mg/L含有する飲料水を18ヶ月間投与(0、200、500、1000 mg/kg bw/日にそれぞれ相当する。)した。腫瘍の発生は認められなかった(Inai et al., 1964)1)

1群200匹からなる近交系のマウスに、0又は0.2%/L亜硝酸ナトリウム を含有する飲料水を投与した。 その内、100匹は0.2%/L亜硝酸ナトリウムに子宮内暴露(妊娠中、授乳中)し、離乳後は0.2%/L亜硝酸ナトリウム飲料水を投与した。病理組織学的検査では、亜硝酸ナトリウムは暴露期間に関係なく中枢神経系の腫瘍発生に影響を及ぼさないことが示唆された。この結果は亜硝酸ナトリウムがVMマウスで大脳グリオーマの原因の可能性が高いことを示唆する先の実験結果と矛盾するものであった(Hawkes et al., 1992)1) 。

1群雌雄各50匹のB6C3F1マウスに亜硝酸ナトリウムを0、750、1500又は3000 mg/Lを含む飲料水を2年間投与した。これらの投与量はそれぞれ雄では60、120、220 mg/kg bw/日、雌では45、90、160 mg/kg bw/日に相当する。 投与群の生存率は対照群と変わらなかった。 最高投与群の雌では実験終了まで対照群に比較し体重が小さく、投与群の摂水量も対照群に比較し少なかった。 雌マウスの前胃の扁平上皮乳頭腫及び扁平上皮癌の発生頻度の増加が認めらた。 最高投与群の雄では対照群に比較し、前胃
の腺上皮の過形成の発生頻度の増加がみられた。 しかし、前胃扁平上皮乳頭腫及び扁平上皮癌の発生頻度の増加傾向のみでがん原性を判断することはできなかった(National Toxicology Program, 2001)2)

ラット
米国FDAによる大規模試験(Newbern, 1978, 1979)で、対照群ラット573匹、亜硝酸塩投与群では1383匹のラットにそれぞれ0、25、50、100、200 mg/kg bwを餌又は飲料水に添加し投与した。 亜硝酸塩投与群の一部は出生5日前から、その他は離乳ら生涯投与を開始した。 餌は、通常用いる動物飼料及び寒天をベースにした半合成飼料の2種類を用いた。 Newbern(1978, 1979)は全ての亜硝酸塩投与群でリンパ腫の発生が増加したと報告した(投与群の発生率が10.2%に対し、対照群では5.4%であった。)。
しかしながら、政府のInteragency Working Groupは同一組織プレパラートを精査し異なる結論、即ち、亜硝酸塩処理群及び対照群とも、リンパ腫の発生率は少数(約1%)であると結論した。 この不一致はNewbernがリンパ腫と診断したものを、Interagency Working Groupは髄外造血、形質細胞増多症又は組織球肉腫と診断し、リンパ腫としては極少数でしかなかったことによる。 その他の腫瘍の発生は認められなかった (FDA, 1980a,b)1)

1群雌雄50匹のF344ラット3群に、亜硝酸ナトリウムを0、0.125又は0.25%濃度になるよう飲料水に加え、2年間投与した。 発癌の所見は認められなかった。 対照群に比較し、高投与群の雌ラットにおいて有意に腫瘍発生率の低下が観察された。 この低下の理由の一つとして、この種のラットで自然発生的にみられる(約25%)単核細胞白血病(mononuclear cell leukaemia)に起因するものと思われる (Mekawa et al., 1982)1)

1群雌雄24匹からなるF344ラットに、亜硝酸ナトリウムを2000 mg/kg添加した餌(100 mg/kg bw/日に相当する。)或いは200 mg/kg bw/日に相当する亜硝酸ナトリウムを添加した飲料水を投与した。 この結果、癌原性は認められず、亜硝酸塩処理群で雌雄ともにF344系ラットに高頻度に自然発生する単球性白血病の発現頻度の低下が認められた。 亜硝酸塩投与群において、その他の腫瘍発生増加は認められなかった(Lijinsky et al, 1983) 1)

1群50匹からなる生後6週齢のF344雄ラットを用いて長期投与試験を行った。 
亜硝酸ナトリウム0.2又は0.5%をたん白飼料に混115週間投与した。雄20匹からなる対照群はたん白飼料のみを投与した。 亜硝酸ナトリウム投与群では体重増加率が減少し、投与開始1週間後のRBCPCV及びヘモグロビン量は減少した。 RBC8週後も引き続き減少したが、徐々に回復し52週には正常に戻った。 投与量に依存して、リンパ腫、白血病、精巣間質細胞腫の発生時期、発生頻度の低下が認められた。 白血病はリンパ腫を持つ動物のみに認められ、この2つの腫瘍には関連性のあることが示唆された。 この実験条件では亜硝酸ナトリウムラットにおける発癌性は認められず、むしろ、投与量に依存して腫瘍発生率が低減する傾向が見られた(Grant & Butler, 1989) 1)

1群雌雄各50匹のFisher344/Nラットに、亜硝酸ナトリウム075015003000 mg/Lを飲料水に添加し、2年間投与した。 この量は雄では3570130 mg/kg bw、雌では4080150 mg/kg bwに相当する。 血漿亜硝酸及び血中ヘモグロビンのトキシコキネティクス検査を目的として、雌雄各10匹に同量の亜硝酸ナトリウムを12ヶ月間投与した。 生存率対照群との差は認められなかった。 最高投与群においては対照群に比べ、試験期間を通して平均体重が低く、摂水量も低かった。 又、その他の投与群における摂水量は14週以降で低かった。 最高投与群の雌雄ラットにおいて、前胃の上皮に過形成が認められ、その発生頻度は対照群に比較し有意に高かった。 雌ラットにおいて乳腺維腺腫の発生は中間投与群で有意に高く、低投与の2群においても多発性の線維腺腫の増加が認められたものの、これらの腫瘍の背景値は高頻度であり、最高投与群では発生頻度の増加は認められなかった。 単核細胞白血病の発生は80150 mg/kg bw/日投与群の雌雄で有意に減少した。 本試験条件下においてがん原性を示唆する結果は認められなかった(National Toxicology Program, 2001) 2)


生殖発生毒性  (link to DART)
マウス
1群約15匹からなる妊娠ICRマウスに、亜硝酸ナトリウムを0、100又は1000 mg/L濃度で含有する飲料水を妊娠7-18日間投与した。 亜硝酸ナトリウム投与群と対照群を比較し、胎児数、胎児の体重、死亡胎児数に、亜硝酸ナトリウムの毒性を示唆する影響は認められなかった。
亜硝酸ナトリウム投与群の胎児の外表異常、骨格異常も対照群と比較し差は認められなかった。 
亜硝酸ナトリウムにより子宮内で暴露された胎児の細胞染色体について観察した結果、染色体切断及びギャップの発現頻度に認められなかった。 以上のとおり、この実験条件において亜硝酸ナトリウムの催奇形性、変異性は認められなかった(Shimaria et al., 1989)1)

Swiss CD-1マウスを用い、亜硝酸ナトリウムの繁殖に及ぼす影響を見た。 投与量を設定する目的で、同居期間中0.06%、0.12%、0.24%(W/V)濃度の亜硝酸ナトリウムを含有する飲料水を投与した。 同居期間の高投与群におけるF0の体重は減少しなかったものの、摂水量は10-17%減少した。 亜硝酸ナトリウムの摂取量はそれぞれ120、260、420 mg/kg bwであった。 この段階で、9匹のマウスが死亡したが、0.06%投与群で3匹、0.12%投与群で4匹、0.24%投与群は0、対照群で1匹であった。 
1対当りの平均産児数、同腹児数、生存児数及び体重には、投与による影響は認められなかった。 妊娠期間にも影響はなかった。 各母動物は同居から離乳迄、出生児を哺育させた。 育中の死亡率には亜硝酸塩処理による影響は認められなかったが、F1動物の体重増加率は、最高投与群で生後7-21日にかけ12-17%減少した。 この原因は母動物の摂水量が減少したため、結果として乳の生成が減少したことによると思われる。
この段階において、繁殖に何ら影響が認められなかったので、対照群及び最高投与群のマウスのみについて生殖能に対する影響について検査した。 この試験期間中、摂水量は8%低減した。 F1の交配期の初期体重は全ての群で差がなかった。
F1
マウスの妊娠率、交尾率には投与による影響は認められず、生殖能も変わらなかった。 産児数、生存児数、F2動物の体重は投与による減少は認められなかった。 分娩後、F2動物、F1動物をと殺し検査した。 最終体重は投与による影響は認められず、各臓器重量にも変化は認められなかった。 発情周期も変わらず、精巣上体の精子において活動性、濃度、形態に変化認められなかった。 病理組織学的検査では、0.24%投与群のマウスの肝臓、腎臓とも対照群と変わらなかった。 このように、亜硝酸ナトリウムはマウスに対し420 mg/kg体重迄は生殖能への影響は認められず、この値が繁殖毒性のNOELと考えられる(Chapin et al. , 1997)2)

 1群12匹の妊娠ラットに
亜硝酸ナトリウムを飲料水に02000又は3000 mg./L添加し投与した。この濃度は亜硝酸ナトリウムとして0200300 mg/kg bw/日に相当する。 非妊娠ラットも同様の処理を行った。 亜硝酸ナトリウムを投与した妊娠ラットには貧血症状が現れ、同様の処理を行った非妊娠ラットに比較し血中メトヘモグロビン含量も高かった。 又、亜硝酸ナトリウムを投与した母ラットにおける新生児の死亡率は対照群に比較し明らかに高く、特に、離乳前3週間において顕著であった。 ラットの死亡率は対照群で6%であったが、2000 mg投与群では30%3000 mg.投与群では53%であった。 出生時体重は全ての群で同等であったが、親動物に亜硝酸ナトリウムを投与した群のラットの体重増加率は顕著に低かった (Shuval & Gruener, 1972)。

亜硝酸ナトリウムを2.5-50 mg/kg bw を妊娠ラットに投与した結果、胎児メトヘモグロビンの産生がみられ、化合物の胎盤移行が示唆された (Shuval & Gruener, 1972)

2世代繁殖試験において、亜硝酸ナトリウムを0240又は460 mg 含有する餌で妊娠時から28ヶ月間飼育したが、出生児数、死亡数、生涯成長率等変化は認められなかった。 この投与量は、それぞれ01223 mg/kg bw/日に相当する。 (Shank & Newberne, 1976)

妊娠Long-Evansラットに妊娠期間を通じ、亜硝酸ナトリウムを0.512又は3g/L添加した飲料水を投与した。 投与群及び対照群の出産児には有意な差異は観察されなかった。 その後、動物に亜硝酸ナトリウムを2又は3g/L投与した群のF1動物は体重増加率が低下し、著しい貧血症を呈し、出生後3週間で死亡する子ラットも出た。 出生後2週間で、子ラットの血中HbRBCMCVMean corpuscular volume)は、対照群に比較し顕著に低下した。 又、脂肪肝が観察され、血液塗末標本では顕著な不同血球、難染色性、乳糜様脂肪血が観察された。 病理組織検査では中心小葉肝細胞の細胞質空胞、骨髄・脾臓における血液形成低下が認められた。 1g/L投与群においては、血液学的変化も認められたが、成長及び死亡率への影響は認められなかった。
以上の結果から、0.5g投与群がNOELか又はそれに近い値であった。 亜硝酸塩処理による影響をるには、妊娠中よりも授乳期間中の方がより観察しやすい. (Roth et al., 1987)。 

妊娠及び授乳期間中、亜硝酸ナトリウムを2又は3g/L添加した飲料水を投与したLong-Evansラットの親動物から出生した新生児及び授乳児は重篤な小球貧血及び発育遅延、高死亡率が認められ、更に、脂肪血、脂肪肝損傷、骨髄・脾臓における血液形成低下、血清及び組織中の鉄濃度の低下が観察された。 これらは全て鉄欠乏症に係わる特徴と一致する。 動物に亜硝酸ナトリウムを投与した新生児ラットに鉄補助剤を与えると新生児の貧血は消失し、他の亜硝酸塩によって生じた悪影響も消失した(Shuval & Gruener, 1972Roth et al., 1987)。  亜硝酸塩投与をした母ラットの母乳中の鉄含量は低減し、胎児又は授乳児で顕著な鉄欠乏症が観察された。 このように、亜硝酸塩投与を行った母ラットは胎児及び新生児に対する鉄供給能力が減少することにより、新生児において重篤な鉄欠乏症を引き起こす(Roth & Smith, 1988)。

妊娠ラット10匹及び15匹からなる2群に、それぞれ妊娠9日、10日目に亜硝酸ナトリウム3g又は10gを混餌投与した。 この量は150 及び500mg/kg bw/日の相当する。 この結果は、何ら胎児毒性、催奇形性は認められなかった (Alexandrov et al., 1990)。

モルモット1)
1群4匹の妊娠モルモットに、亜硝酸ナトリウム0、50又は60 mg/kg bw/日を出産前15日間、皮下投与した。 50 mg/kg bw/日投与群では出産は正常であったが、60 mg/kg bw/日投与群では、
投与1時間後に流産が3発生し、続いて胎児死亡が観察された。 死亡時、動物及び胎児血中メトヘモグロビン濃度は最高濃度に達し、胎児血中酸素圧は対照群に比較し低かった。 60 mg/kg bw/日投与群の動物は1時間後に死亡した (Sinha & Sleight, 1971) 。

次いで、1群9匹の妊娠モルモットに亜硝酸ナトリウムを0、60 mg/kg bw/日を妊娠最後に皮下注射により単回投与した。 親動物は亜硝酸塩投与後0.25-56時間の間隔でと殺し検査した。 投与後3時間以上経過した段階で、胎児の96%が死亡した。 繁殖に影響を及ぼさない亜硝酸ナトリウムの投与量と
動物及び胎児死亡がみられた投与量の差が小さいことが判明した (Sinha & Sleight, 1971) 。

ウシ1)
妊娠ウシに7、9.5及び12 mg NO2-/kg bw を30分間点滴静注した。 亜硝酸塩を投与した母ウシの用量に依存した血中ヘモグロビンからメトヘモグロビンへの転換平均動脈血圧30-50%低下、用量に依存した回復期間を伴う心拍数の増加、部分的酸素張力(pO2)の減少が認められた。 胎児における変化はメトヘモグロビン量僅か上昇、心拍数の変化(瀕脈及び徐脈)、胎児pO2低下が認められたが、動物間でかなり数値にばらつきが認められた。 全ての胎児は生存して生まれたが、亜硝酸塩の最高投与群では、投与後2-3日後に3頭のウシが早産した。
血液学的検査データ及び心血管に関するデータから、3頭の胎児は他の胎児より更に重大な低酸素血状態であったことが示唆された(Van’t Klooster et al., 1990)。



局所刺激性
報告なし



その他の毒性
悪性腫瘍への形質転換に関する試験1)
マウスBALB/3T3細胞に亜硝酸ナトリウム(5-20mM)を添加し、72時間培養すると、用量依存的な転座(タイプV)が認められた。 この細胞を取り出し、ヌードマウス(免疫不全に皮下注射したところ(1×106/スポット)、腫瘍の進行性増殖が認められた。 一方、亜硝酸塩未処理の細胞は腫瘍の増殖は認められなかった。 亜硝酸ナトリウムが細胞内成分と反応し発がん物質のN-nitroso化合物を生成することにより腫瘍が発現するのではなく、亜硝酸ナトリウム自身が細胞形質転換作用を持つことが判明した。 哺乳動物の活性化されたマクロファージがNO2-を生産することが示唆される(Tsuda & Hasegawa , 1990)。

抗酸化剤との相互作用に関する試験1)
Fisher雄ラットを用い4週間投与試験により、前胃細胞増殖に対する亜硝酸ナトリウムと抗酸化剤であるアスコルビン酸ナトリウムの相互作用について検討した。 15匹の6ラットに、カテコール0.8%、ハイドロキノン0.8%TBHQtert-butylhydroquinone1%gallic acid 2%又はピロガロール2%を単独或いは0.3%亜硝酸ナトリウムとともに飲料水に添加し、或いはアスコルビン酸ナトリウム1%を混餌投与した。 前胃粘膜は抗酸化剤単独投与に比較して抗酸化剤とNaNO2との併用により肥厚し、アスコルビン酸ナトリウムの追加投与により更にその肥厚を高めた(Yoshida et al . 1994)。

循環器系に及ぼす影響2)
亜硝酸塩及び有機硝酸塩は血管拡張作用があり(Nickerson, 1975)、亜硝酸ナトリウム100-300mg/Lを飲料水で2年間投与したラットで筋肉内冠状血管の拡張及び菲薄化が認められた(Shuval & Gruener, 1972)。亜硝酸塩を長期間摂取することにより、自然発生高血圧ラットの血圧を低下させ高血圧による二次病変の予防の有無について検討するため、96匹のラットに亜硝酸ナトリウム又は重炭酸塩50-75mmol/L 48又は12ヶ月投与した。 各測定時点における動脈血圧(tailcuff法で測定)は亜硝酸ナトリウム投与群が有意に低く、亜硝酸塩に対する耐性も認められなかった。 同時に、心臓肥大、及び腎臓萎縮の発現頻度の低下傾向もられた。 亜硝酸ナトリウム75mmol/Lの投与は若齢ラットでは十分耐えうる量ではなかった(Haas et al., 1999)

腫瘍誘発に対する影響2)
良く知られた発がん物質(N-methyl-N’-nitro-N-nitrosoguanidine, phenolic compounds, catechol, 3-methoxycatechol and butylated hydroxyanisole)に、0.2-0.3%亜硝酸ナトリウム投与(200-300mg/kg に相当)を併用投与すると、前胃における腫瘍発生が増強されることが多数報告されている。 しかし、この濃度より低濃度での研究は見当たらない。 前胃の腫瘍はヒトに対し限定的な影響でしかないため、これらの結果が食品中の亜硝酸塩の安全性評価に意味を持つものとは考えられない(Hirose et al., 1993; Kawabe et al., 1994; Yoshida et al., 1994; Miyauchi et al., 2002)。
最近の研究では、2-amino-1-methyl-6-phenylimidazol [4,5-b]pyridineで発生したラットにおける乳腫瘍の発生率及びその大きさに及ぼす0.2%亜硝酸ナトリウム(200mg/kg bwに相当)投与の影響を調べた結果、亜硝酸塩は腫瘍発生率に影響を及ぼさず、又、その大きさ縮小させる傾向が認められた。 これは比較的高濃度の投与量における結果であり、食品中の亜硝酸塩の安全性評価に影響するものではない(Hirose et al., 2002)。  



ヒトにおける知見 (link to HSDB)

メトヘモグロビン形成1)
食品中の亜硝酸塩による食中毒事故が報告されている。 人の経口投与に よる致死量は33〜250 mg NO2-/kg bwとされ、子供及び高齢者では低用量が適用される(Corre & Breimer, 1979)。 メトヘモグロビン血症を誘発する毒性量は1-8.3 mg/kg bwの範囲である(Winton et al., 1971; Simon, 1970)。
亜硝酸塩の高濃度暴露による中毒については種々報告されている(Machabert et al., 1994; Dudley & Salomon, 1993; Bradberry et al., 1994; Kaplan et al., 1990; Walley & Flanagan, 1987)。 亜硝酸塩の毒性は吸入によっても、経口によっても誘発される。 亜硝酸イオンとして、0.4〜>200 mg/kg bwの範囲で、摂取後に亜硝酸塩による中毒症状及びメトヘモグロビン血症が現れる。 メトヘモグロビン血症の症状は亜硝酸塩の暴露量に応じ、呼吸困難、頻脈に続いて、チアノーゼ、多幸症、顔面紅潮、頭痛、めまい、失調症等の症状がでる。 メトヘモグロビン血症の患者は酸素及び又はビタミンCメチレンブルーの併用投与で回復するが、重症の場合には交換輸血を行う(Kalpan et al., 1990; Walley & Flanagan, 1987; Bradberry et al., 1994) 人における亜硝酸塩の毒性に関する他の亜硝酸ナトリウム情報として、血管拡張剤としての使用或いはシアン中毒の解毒剤として利用がある。 30-300 mg/人(0.5-5 mg/kg bwに相当する。)では毒性効果を示さなかった(NAS, 1981)。

生後3ヶ月以下の乳児は別として、他の遺伝的或いは疾病の影響で生体に異常を来たしているグループの人が、硝酸塩や亜硝酸塩によるメトヘモグロビン血症に罹患することがある。 この例としては、妊婦(Metcalf, 1961)、グルコース6-リン酸デヒドロゲナーゼ欠乏症(Kohl, 1973)、胃酸分泌が低減している成人、遺伝的に赤血球中のNADH又はメトヘモグロビンレダクタゼ欠損患者(Scott, 1960)、高齢者(Spiegelhalder)で報告されている。同様に、ヘモグロビンが遺伝的に構造異常の人も、食事による亜硝酸塩や硝酸塩のリスクが高まる(Jaffe & Heller, 1964, cited in NAS, 1981)。

亜硝酸ナトリウムを0.5 mg/kg bw/日、調理した野菜に添加し9日間投与したところ、人の尿中の17-ヒドロキシ及び17-ケトステロイドの排泄が減少した。 この結果は副腎におけるステロイドの生産が低減したことを示唆し、ウサギにおける報告と一致しているViolante et al., 1973)。 このことは亜硝酸塩投与したラットにおいて副腎の球状帯細胞の肥大が認められることからも支持される(Til et al., 1988, 1990; Boink et al. in press)。


この項は食品・医薬品共用添加物の安全性研究の費用による研究である


引用文献
1) WHO Food Additive Series 35 (NITRITE(and potential endogenous formation Of N-nitoroso compounds) (1995
: link to WHO DB)
2) WHO Food Additive Series 50 (NITRITE(and potential endogenous formation Of N-nitoroso compounds) (2002
: link to WHO DB)

Abbreviation   
TOXNET DB; ChemIDplus DB in TOXNET, CCRIS;Chemical Carcinogenesis Research Information System , DART; Developmental Toxicology Literature   

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