よくある質問と回答 |その1|  |その2|

製造・品質管理の専門家であれば、薬剤師である必要はないと思うが、薬剤師としたのはなぜか?
薬剤師に限定したため、会社組織とうまくいかないが、どうしたらよいか?
医薬品GMPも当初薬剤師としていたが、最近の「医薬品GMP解説1999年版」では薬剤師に限定していないが、
  添加剤については薬剤師とした理由はなぜか?

食品添加物のように、食品衛生管理者がいるので、食品衛生管理者でよいと思うがどうか?
添加剤協会のGMP自主基準に関する相談業務について伺いたい。

顧客の強い要望が出た部分のみGMPに準じた対応をしているが、これでよいか?
工業用、化粧品用、医薬用とマルチで生産しているので、必須部分以外は必要最低限レベルにしているが、
  これでよいか?

どこまでやればよいかわからない。時間、経費から見通しをつけたいが、適切な指針はないか?
経口・注射剤に用いられる医薬品添加剤に対してGMPは必要と思うが、最終工程の一部に適用することで
  よいか?


GMP管理では、異物混入防止対策という印象を受けるが、異物管理を充てんに実施すればよいか?
添加剤の取出し場所は基準(10000程度)が必要と思うが、基準についてどのように思うか?
異物の定義をしていただきたい。
異物の目視検査は誤差が大きい。高精度の方法や規格値を知りたい。
異物の同定方法の実際を教えていただきたい。







製造・品質管理の専門家であれば、薬剤師である必要はないと思うが、薬剤師としたのはなぜか?

この問題は、どちらか一方に決め付けてしまうことができない問題である。
従って、医薬品製造管理者の資格が薬事法によって、薬剤師であることが原則とされているためこのように決定した。
しかし、添加剤の特殊事情から、自主基準解説2.第3条関係イをケースバーケースで柔軟に活用すべきだと思う。


薬剤師に限定したため、会社組織とうまくいかないが、どうしたらよいか?

若い薬剤師しか採用せず、このような薬剤師では社内の組織で発言権がなく、うまくいかないという話をよく聞く。
自主基準解説2.第3条関係イを上手に活用し、将来、よりよい形になるように計画的に実施すべきだと思う。現在添加剤メーカーで薬剤師が製造管理者として立派に活躍している企業でも、このようになるまでに何年もかかったと聞いている。
勿論、その間周囲の人々の強い支援と理解が必要である。



医薬品GMPも当初薬剤師としていたが、最近の「医薬品GMP解説1999年版」では薬剤師に限定していないが、添加剤については薬剤師とした理由はなぜか?

医薬品製造管理者は、「医薬品GMP解説1999年版」でも薬剤師に限定しており、今まで変更はない。



食品添加物のように、食品衛生管理者がいるので、食品衛生管理者でよいと思うがどうか?

薬剤師の代わりに食品衛生管理者というのではなく、ただし書きの部分での話と捉えるべきであると思う。




添加剤協会のGMP自主基準に関する相談業務について伺いたい。

日本医薬品添加剤協会事務局に連絡していただければ、相談に応じる。相談業務のシステムについては、今後、検討する。



顧客の強い要望が出た部分のみGMPに準じた対応をしているが、これでよいか?

「顧客からの強い要望に出た部分」から始めることでとりあえずはよいのではないかと考える。品質保証上相当期間(最低1年以上)問題が発生していないことが確認されていること、及び製品標準書上の変更がない、又は、変更があっても変更前後の品質に変化がないことが確認されていること、が前提となる。本来ならば自主基準に沿って導入推進を図るべきである。



工業用、化粧品用、医薬用とマルチで生産しているので、必須部分以外は必要最低限レベルにしているが、これでよいか?

「必須部分」が、自主基準解説1.第1,2条関係(4)に記載されている「医薬品添加剤の製造工程については出発原料より段階的に管理し、医薬品添加剤の品質に重大な影響を与える工程(医薬品添加剤の品質を決定的に支配する中間体を生成する工程)以降から、重点的に自主基準に従って管理するものであること」に準じて管理されていること、及び品質保証上相当期間(最低1年以上)問題が発生していないことが確認されていること、並びに製品標準書上の変更がない、又は変更があっても変更前後の品質に変化がないことが確認されていることを前提に「必須部分以外は必要最低限レベル」にすることでよい。

また、「必須部分以外は必要最低限レベル」にすることとは、「品質保証以上相当期間(最低1年以上)問題が発生していない」時期と同レベルとする必要がある(安心して管理レベルを定価させないこと)。
なお、「医薬品添加剤の品質に重大な影響を与える工程」は、製品の本質、医薬品としての用途、製造技術あるいは工程能力等を勘案して自社で製品毎に定め、製品標準書等に記載しておくことが肝要である。


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どこまでやればよいかわからない。時間、経費から見通しをつけたいが、適切な指針はないか?

自主基準の主旨からして「時間、経費から」ではなく、「品質保証」の観点から考えていただきたい。それを如何に経済的に進めるかが各企業の努力目標にはるのではないだろうか。医薬品添加剤は種類も製造方法も多岐にわたるので経済的進め方の共通する「適切な指針」を提供するのは困難である。

しかし、自主基準解説1.第1,2条関係(4)に「医薬品添加剤の製造工程については出発原料より段階的に管理し、医薬品添加剤の品質に重要な影響を与える工程(医薬品添加剤の品質を決定的に支配する中間体を生成する工程)以降から、重点的に自主基準に従って管理するものであること」を自主的に定め、その工程以降から重点的に自主基準に従って管理することが最低限実施すべきことと考えられる。

なお、「医薬品添加剤の品質に重大な影響を与える工程」は、医薬品添加剤ごとの本質、医薬品としての用途、医薬品添加剤の製造技術あるいは工程能力等を勘案して製品毎に定め、製品標準書等に記載して自社の考え方を明記しておくことが肝要である。

経口・注射剤に用いられる医薬品添加剤に対してGMPは必要と思うが、最終工程の一部に適用することでよいか?

「最終工程」の定義は会社によって異なるかもしれず、しかも「必要と思う」のに、その「一部に適用する」ことでは一概によいとはいえない。必要な対象に必要なだけ適用していただきたい。経口・注射剤以外に用いられる医薬品添加剤についてもGMPは必要である。



GMP管理では、異物混入防止対策という印象を受けるが、異物管理を充てんに実施すればよいか?


GMPでは少なくとも3つの要件を満たすことが求められる。
1.人為的な誤りを最小限にする。
2.医薬品に対する汚染防止及び品質低下を防止する。
3.高い品質を保証するシステムの設計。
である。異物管理はあくまでもGMP管理の1つであり、異物管理ばかりを実施すればよいというものではない。


添加剤の取出し場所は基準(10000程度)が必要と思うが、基準についてどのように思うか?

医薬品GMPにも医薬品製造所の各作業室の清浄度区分について明確に定義付けられらものはないが、医薬品GMP事例集(1999年版)に参考として以下のクラス分けの例が示されている。

区分1:無菌製剤の調整室、充填閉鎖室等
区分2:一般製剤の秤量室、調整室、充填閉鎖室、中間製品保管所(ただし、適切な密閉器に収納されており、必ずしもこの分類にあたらない場合もある。)等
区分3:包装室、原料保管室、更衣室(私服を作業服に着替える初段階の室を意味する。)等
区分4:玄関ホール、来客室、動力機械室、配電室等

これは各作業室の清浄度が4段階に区分された一般的な例で、「各製造所の実情に合わせて変更してもよい」とされている。
また、空気中の粉塵数の管理基準については、各製品の形状、会社のポリシー、作業内容の違いにより、各製造所ごとにおこなることから、実情に合わせて区分ごとの管理基準を決めるのがよいと思われる。

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異物の定義をしていただきたい。

医薬品のGMPにも添加剤のGMPにも異物の定義はない。
薬事法第56条(販売、製造等の禁止)五項に「異物が混入し、又は付着している医薬品」とあり、この異物について解説では以下のように記述されている。
「『異物』とは、ダニ類、寄生虫卵、ガラス片、その他およそ医薬品を構成する物質以外の全ての物質をいう」
薬事法第56条の解説には、『異物』の他に『不潔な物質』、『変敗』、『変質』、『病原性微生物』についても記載されているので、参考にされたい。


異物の目視検査は誤差が大きい。高精度の方法や規格値を知りたい。


目視検査は官能検査の一種で、一般に理化学的検査と比較した場合、安定した試験結果を維持しにくいと思われる。官能検査の特性を理解し、その弱点を補い標準化するべきと思われる。
標準化のための参考文献としては以下のものがある。
JIS品質管理ハンドブック「JIS官能検査通則(JISZ9080)」
医薬品の製造管理と品質向上に関するシンポジウム(1998年6月、日本PDA)

異物の同定方法の実際を教えていただきたい。


異物の種類にもよるが、一般的には電子顕微鏡での観察。IRやX線マイクロアナライザーでの調査等があげられる。